ダコイト:インドのロビン・フッド ターンティア・ビル

ダコイト:インドのロビン・フッド ターンティア・ビル

インドにおける武装集団、武装盗賊集団をダコイトと呼ぶことはご存じでしょうか。マフィア、ギャング的な扱いでも用いられるこの単語は、現在のニュースでもしばしば使われています。Times of IndiaのHPなどでも、さまざまなダコイトのニュースがみられます。

一般的にダコイトは、ネガティブな文脈でしか登場しませんが、今回の記事で紹介するのは、ダコイトで、イギリスの植民地期のインドで「ロビン・フッド」と称されたターンティア・ビル(Tantia Bhil、1840-1890、以下ビル)という人物です。

当時、その活動から多くのインド人に慕われ、尊敬を集めていたビルの活動を追います。

1.ダコイト

ダコイトは武装盗賊集団の総称で、語源、起源は不明です。

イギリス領インドでは、5人以上のグループで活動する盗賊集団と規定されていましたが、その性格や構成人数などはさまざまであり、カースト全体がデコイトに認定されたこともあります。次の項で紹介するビルや、北インドから中央インドにかけて暴れたピンダーリーのように、反英抵抗運動を続けるための政治的手段として、盗みを働くというグループもいました。その他にも主にウッタル・プラデーシュ州で遊牧生活を行い、貧困層の多いカーストハブーラ(habura)なども、ダコイトにカテゴライズされています。

また、ダコイトに指定された集団としては、タミル・ナドゥ州に多いカッラン(kallan)カーストがあり、伝統的に泥棒を生業としていた時期があり、カッランの意味も泥棒が語源となっています。

現代においてもダコイトと呼ばれる犯罪集団はおり、ニュースでもしばしばとりあげられています。

2.ターンティア・ビル

ビルは、マディヤプラデーシュ州南西部の先住民族ビル(Bhil)出身で、ダコイトのリーダーとして知られています。ビルは12年間、イギリス支配に対して武力闘争を行い、外国勢力の支配を断ち切ることを目指しました。

彼は仲間を集い、政府庁舎やイギリス人の家から財産を奪い、それを経済的な支援が必要な貧困層に配り、人々の士気を上げようとしました。そのため、当時貧困に苦しめられていたインド人たちにとり、救世主であるとして慕われ、「ママ」の愛称で呼ばれていました。

イギリス政府は、彼をダコイトと規定し、逮捕のために力をかけていきます。

1889年11月のニューヨーク・タイムズは、ビル逮捕のニュースの記事を紙面で大きく扱い、「インドのロビンフッド」と表現しました。

ビルは現在のマディヤプラデーシュ州の、バダダ村で生まれました。ビルの活動は1857~1859年のインド大反乱の際にみた、イギリス人からの抑圧がきっかけとなります。

その後のビルはしばらくの期間、インド社会をどうすべきか学び、コミュニティ内部で志を同じにする人々と連帯を強めていき、その過程で社会主義社会の実現がインドには必要と考えるようになりました。

最初の逮捕は1874年、軽犯罪でした。しかし、その1年後、誘拐や強盗を働き1878年に再逮捕され、投獄されます。投獄の3日後、ビルは牢屋から脱走をし、この時から彼の「ロビン・フッド」としてのキャリアが始まったといわれています。

ビルはゲリラ戦を得意とし、弓の名手としても知られ、銃の扱いにも長けていました。彼は若年期にうっそうとした森、谷、渓谷、山等で暮らした中で、ゲリラ戦を学んだといいます。イギリス政府は多くの兵力を割き、彼を逮捕しようとしましたが、仲間たちの協力もあり、逃げ続けることに成功しています。

しかし、その間、彼の仲間たちが逮捕・投獄されたといいます。

巧みに逃げ続けていたビルですが、数々の反英活動の後、妹の夫の裏切りによって逮捕されることになります。脱獄経験があったため、より警備の厳重なイギリス人居住区内にある刑務所に収監され、厳しい環境に置かれました。その後、煮え湯を飲まされ続けたイギリス政府の人間により、彼にはさまざまな拷問が加えられたといいます。

そして1889年10月19日、裁判所で死刑判決を言い渡されます。当時のイギリス政府は、現地のインド人の反発を恐れ、死刑執行の日を公開しなかったため、いまだにその執行日は明らかになっていません。処刑後の遺体の行方も不明ですが、彼に由来する土地には、ビルの像や看板が立てられ、現在も多くの人々の間で英雄として慕われています。

3.ダコイト:インドのロビンフッド ターンティア・ビルのまとめ

ビルは現在のインドでも知られており、たびたびその物語が映画化されています。当時の抑圧的・残虐的イギリス人に反抗する義賊、まさしくロビン・フッドです。

今回ダコイトについて調べていたら、まだまだ有名なダコイトがいることがわかりました。人殺しギネス記録を持つダコイトや、残虐行為を行い続けたダコイトなどさまざまいるようです。またの機会にご紹介します。

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