インドの周辺国からの難民

インドの周辺国からの難民

インドで暮らしていると、難民がらみのニュースはよく目にします。日本人のイメージする難民は、たとえばシリアのような破綻国家や、独裁国家から逃れた人々、といった感じでしょうか。

今回は、インドへと避難してきた難民について、そのきっかけとなる出来事とともに紹介します。

1.1000万規模の難民が発生した出来事

今日、南アジアにおいて生じる難民の主要な原因は、イギリス統治に起因するといわれています。

イギリス領からの独立の際、多くの人々が、各地で宗派対立に巻き込まれ、数百、数千単位で、死者が出た地域もありました。そうした地域から逃れた人々が、難民となったのです。

以下、インド国内で、1000万人規模で難民が発生した、主要な出来事を2つ紹介します。

1-1.インド・パキスタン分離独立に伴う難民

1947年8月、インド・パキスタン分離独立の前年である1946年8月、当時のカルカッタで「カルカッタ虐殺」と呼ばれる、約4700人の死者が出た、ヒンドゥーとムスリムの衝突が起きました。これは、ヒンドゥー側の指導者ネルーと、ムスリム側指導者ジンナーの激しい対立に、起因したものです。

この結果、この地域に住んでいた多くのムスリムは、東パキスタン(現バングラデシュ)の地域へと、逃げていくことになりました。

このインド・パキスタン分離独立へ向けた時期、多くの地域でヒンドゥーとムスリムの衝突が起きており、各地で多くの死傷者・難民を出しています。

そして、分離独立後も、難民の移動は続きます。

パキスタンは、イスラムの国を標榜した独立であるため、多くのヒンドゥー、そしてシク教徒などが、パキスタン地域での生活を捨て、インドへと逃げ延びてきました。

インドでは様々な地域で、パキスタンからの難民キャンプが設立され、かれらの生活の再建が、インド政府にとっても最優先事項の1つであったといいます。

このパキスタンからの難民の、生活再建の地で最も有名なのが、デリーのカーン・マーケット(Khan Market)です。

カーン・マーケットは、デリー中心部からも近く、現在、インドで最も地価が高いエリアとなっています。

パキスタンにも、インドからの多くのムスリムの難民が渡り、両国ともに、この時期の難民の対処には、大変苦しんだようです。

この時の、全体の難民の数は、1000万人を大きく超えたと考えられています。

1-2.第3次インド・パキスタン戦争とバングラデシュの独立

1971年に起きた、第3次インド・パキスタン戦争や、パキスタンからのバングラデシュ独立の際も、大量の難民が発生しています。この2つは、連動した動きの中にあります。

1971年当時、東パキスタン(現バングラデシュ)において、ベンガル人によるパキスタンからの独立運動が、盛り上がりをみせていました。それを支援していたのが、当時のインディラ・ガンディー政権です。

これに怒ったパキスタンは、東パキスタン領内の、ベンガル人の虐殺を行ったのです。インド政府は、東パキスタンの支援を続けた結果、パキスタンとの間に軍事衝突が起こります。これが、第3次インド・パキスタン戦争です。

この戦争に、インドは勝利し、バングラデシュは独立を果たします。

この時のインドへの難民数は、1000万を超えたといわれ、バングラデシュ国内の避難民は、3000万を超えたといいます。

2.その他の地域からの難民

2-1.チベットからの難民

中国チベット接収以降、中国から逃れた多くのチベット人が、インドに難民として入っています。

全世界のチベット人難民12万人のうち、10万人がインドで暮らしています。

多くのチベット人が暮らす場所として、そしてダライ・ラマの活動拠点として知られているのが、ダラムシャーラーです。この地には、約1.5万人のチベット人が暮らしています。

2-2.スリランカにおけるシンハラ人とタミル人の対立による難民

1980年代以降、スリランカの人口構成比7割となるシンハラ人と、2割弱のタミル人系の組織LTTE(Liberation Tigers of Tamil Eelam:タミル・イーラム解放の虎)の対立・衝突が顕著となります。

これは、スリランカの国の政策が、シンハラ人を優遇していると反発したタミル人の抗議をきっかけに、始まったものです。

1983年から、両者の衝突は顕著となり、この泥沼の争いは2009年まで続きます。この間、タミル人側のLTTEとインドの対立も深まり、1991年に、ラジーヴ・ガンディーが、LTTEによって暗殺されています。

この長年に渡る混乱により、インドには現在、スリランカ系の難民が約9万人いるといわれています。

その多くが、タミル・ナードゥ―州の難民キャンプで暮らしていますが、インド政府は横の繋がりによるテロを恐れて、それぞれの難民キャンプを、離した場所に設置しているということです。

3.インドの周辺国からの難民のまとめ

こうして改めて、インドの周辺国をみてみると、インドは結構、大変な国に囲まれているんだなと思ってしまいます。スリランカなども、内戦があまりに酷く、その内容は、耳を塞ぎたくなるようなものばかりです。

日本はいかに、平和で物に溢れているか、インドにいると実感させられます。機会があれば、インド周辺国の問題なども、紹介できればと思います。

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