植民地インドとアヘン

植民地インドとアヘン

インドの観光地等に行くと、水パイプの行商を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。そういう人たちと話をすると、アヘンを売ってくれる、または売人を紹介してくれます(もちろん私は買いません)。意外と近場で売っているんです。

そして、街中の道の隅で、パイプをくぐらせている人を吸っている人もよく見かけます。もちろん、ただのタバコを吸っている人もいますが、アヘンの人も多いみたいなんです。

そして、道に転がっている廃人もいます。これは、インド人に聞くと、インドの麻薬は不純物が多いから、安いのをやるとああなっちゃうんだよ、とのことです。怖いです。

今回は、インドでアヘンの栽培が始まった、イギリス統治時代の状況を中心にみていきます。

1.アヘン

アヘンは麻薬の1つで、ケシの未熟果に傷をつけると出てくる白色の乳液が、空気に触れ、乾燥すると黒色となり、それを固形化したものをさします。モルヒネを主成分とし、中枢神経に抑制作用をもちます

英語opium(アヘン)の語源は、ギリシア語で「汁」「ケシの液」を意味するopionです。また、アヘンという言葉は、アラビア語のアフユーン(afyun)が語源となり、日本に伝わったといわれています。

13世紀に書かれた書物には、当時、ケシはまだにしかなかったと書かれていますが、その後、16世紀以降の大航海時代に、アジアにもたらされました。

インドにおけるアヘン栽培は、植民地支配をきっかけに、急拡大することになります。

2.東インド会社とアヘン貿易

元来、インドにおいてアヘンはとして使われていて、大規模に商品として生産・販売されるようになり、麻薬として流通するようになったのは、18世紀後半以降といわれています。これは、イギリスの東インド会社が、植民地であったインドにおけるケシの栽培からのアヘン生産の専売権を得たためです。

このアヘンは、中国へ大量に輸出され、中国からイギリスへは茶を、イギリスからインドへは機械製綿製品を売るという、貿易ラインが出来上がります。こうして、イギリス・インド・中国の三角貿易の主力商品が形成され、イギリスの富は、さらに膨らむことになりました。

イギリスの東インド会社は、1600年に特許商社として誕生しましたが、1773年の特許更新に際し、インドの監督権が正式に与えられます。これにより、インドにおける総督制がはじまり、東インド会社は、商社という性格とともに、インドを支配する公の権力という、2つの性格をもつことになりました(この東インド会社による支配は、インド大反乱後、1858年まで続き、その後はインド政庁が引き継ぎ、統治を行いました)。

総督制の開始とともに、東インド会社は、塩・硝石とともにアヘンを専売とし、アヘンのインド国内での消費を禁止し、すべて輸出へと充てました

東インド会社解散後、イギリス政府は1897年に、ベンガル大管区のビハールやベナレス(ヴァラナシ)の2州にのみ、ケシの栽培権を許可することで、アヘンの生産・管理体制を強化しています。これは当時、アヘンへの不純物混入が問題となり、多くの健康被害が出ていたための対応で、それぞれの州に1つずつ認可制の精製工場を作ることで、精度を高める必要があったといいます。

当時は「ベンガルアヘン」と「ベナレスアヘン」の2つの商品名で、売られていたといいます。

3.植民地経済としてのアヘン

東インド会社は、特定の認可農民にケシの栽培を認め、作付け前に、前金として半分の報酬を与え、ケシのジュースを採取、それを人の頭大のボール状に固め、会社に納品させていました。これを1箱分に換算すると、会社が農民に支払う額は、前金と合わせて300Rsだったようです。

これを買い取った東インド会社は、さらに競売にかけ、1200~1500Rsで売っていたといいます。この差額から、倉庫代や梱包代、運送費、経費、人件費を引いたものが、アヘン専売収入となったということです。

アヘンの専売収入は、19世紀の植民地インド全体を平均すると、歳入の17%と、高い比率を占めています。こうしたインドのアヘンの約85%は中国へ輸出され、これがアヘン戦争(1840-42、56-60)を引き起こすことになります。

アヘンの中国への輸出のピークは、価格でみると1880年頃といわれ、その後20世紀に入り、人権問題として、国際的な反発が起こるまで続きました。

ちなみに、インド最大の財閥タタグループの創始者、ジェムセトジー・タタは、このアヘン貿易でも富を築いたことで、知られています。

4.植民地インドとアヘンのまとめ

インドには、もともとケシがあったのかと思っていたのですが、欧米によってインドに広まったと知り、少し嫌な気分になりました。このインドで生産されたアヘンの貿易によって、アヘン戦争も起きていますし、なかなか罪深いです。

アヘンは、現在のインドでは、公では麻酔用に栽培されている畑もありますが、多くはマフィアがアヘン用に栽培・精製をしており、ヨーロッパなどへも輸出されているといいます。

インドのアヘン問題は奥が深いので、また機会があれば、記事を書いてみたいと思います。

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