自然の恵みを上手に取り入れるインドの人々

自然の恵みを上手に取り入れるインドの人々

自然由来の薬品・化粧品をうまく使います

インドの人たちはどんなお化粧をしてきたのでしょう。化粧と言っても単に身を飾るだけでなく、宗教的な意味を持つ場合もありますし、強烈な日差しを浴びる地方では、肌を守るための化粧品にさまざまな工夫を凝らします。

現在インドの都市部では、欧米の有名メーカーの化粧品も手に入りますが、地方では生活の身近なところから調達して使っています。もともとが豊かな自然が身の回りにあるインド、自然素材を使ったオイルやハーブ製品はお手の物です。

たとえばココナッツ油にニームの葉を漬け込んで、エキスを抽出したものは、髪と地肌の健康を保つために用いられますし、沐浴の前にはハーブエキスを加えた油でマッサージを行います。

神の樹ニームの樹とは

ニームの名前が出たところで、ちょっとお話しておきましょう、非常に魅力的で有用な植物として、今世界から注目を集めています。日本ではインドセンダンと呼ばれますが、高さは20mぐらいになり、南アジア一帯によく生えている常緑樹です。特にインドではなじみが深く、街路樹としても見かけます。

それほど身近な樹木ですが、インドでは「神聖な木」「ミラクルニーム」と呼ばれ大切にされて来ました。それというのもこの樹木は、涼しげな緑色の葉っぱも、群がって咲く白い小花も、オリーブに似た実も枝も、全てが薬として用いられるのです。利用の歴史は古く、4500年前インダス文明の遺跡モヘンジョダロからも、人が集めたと思われるニームの葉が何枚も見つかっています。

インドにはアーユルヴェーダという古くからの民間療法がありますが、医師や薬師は、変化に富んだ気候風土を持つインドの広い大地を巡って、多くの薬草を探し回りました。その中でもニームは、皮膚病・心臓病・関節炎に糖尿病など、あらゆる病気に効能のある万能薬として重宝されました。

1本の樹から50kgも採れるニームの実は、絞ってニームオイルを抽出しますが、これは害虫よけに特効があります。搾りかすもニームケーキと呼ばれ、痩せた土地にすき込んで土壌改良に役立てています。

ニームの花から集められた蜂蜜は、肥満になり難いといわれ、「甘いものはほしいけれど太りたくない」人たちに人気です。また昔は多くの国で、木の枝を細かく裂いて歯ブラシ代わりにしていましたが、インドでは今でも、ニームの持つ殺菌作用と薬効を期待して、歯ブラシとして使っている人も多いのです。

ニームの樹にまつわるお話

このように人々に親しまれているニームの樹には、面白いお話が伝わっています。

ヨーロッパで、ニームの樹が注目されるようになったきっかけは、1900年代に、ドイツの昆虫学者が目の当たりにした光景でした。東アフリカのスーダンで、ある年、イナゴの大発生が起きました。ニュースで目にすることもありますが、全ての植物を食べ尽くすイナゴたちが通り過ぎた後には、何も残っていません。

ところがニームの樹だけは何事もなかったように、枝も葉も相変わらずふさふさと茂っていました。昆虫学者は試しにその葉っぱを口に含んでみると、「おお、苦い」この苦さが原因だったのかと気付きました。大食漢のイナゴも食べ残す珍しい樹ということで、なにかに役立たないかと研究が始まったそうです。

釈迦様が亡くなったとき、神聖な樹の葉だとして、弟子たちはひつぎにニームの小枝を入れました。ガンジーも生前ニーム茶を飲んでいましたが、お釈迦様と同じように、そのひつぎにはニームの小枝が入れられたとか。

ニームの日本での呼び名はインドセンダンですが、日本でよく見かける栴檀(せんだん)は別のものです。栴檀は毒を持っているので、決して口に入れたりしないでください。

重宝されるココナッツ油

ココナッツ油はもちろん食用として口にしますが、それだけではなく、髪や素肌に栄養を与える化粧品としても重宝されています。強烈な日光から肌や髪を守る働きがあるので、ボディクリームとして使われます。ココナッツ油をたっぷりと髪や地肌に擦り込み、2、3時間たってから洗い流します。

21世紀に入り、インドの経済的発展は目覚ましいもので、庶民の消費生活も豊かな様相を見せてきました。しかし、髪の手入れに欠かせないリンスやコンディショナーは、シャンプーに比べるとまだまだ割高感があるのです。そのためシャンプーだけは市販品を買い、後の髪の手入れはココナッツ油を使う人が多くいます。

テンダーココナッツ

インドや東南アジアを旅行中は、日本人はおなかに気をつけろといわれます。屋台のおいしそうな香りに誘われても、ちょっととまどうところがあります。でもどうしても喉が渇いたときは、テンダーココナッツのジュースがおすすめです。

テンダーココナッツとは、まだ熟す前の若いココナッツのことで、道端で山積みにして売られています。先端をカットし、ストローを突き刺して渡してくれます。中身は500mlほどのココナッツジュース。

自分で丸ごと買い求めるのが一番安全ですが、問題はどうやってカットするかですね。

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