ナンダ・デヴィ山と女神ナンダ

ナンダ・デヴィ山と女神ナンダ

ナンダ・デヴィ(Nanda Devi)山をご存知でしょうか。ナンダ・デヴィ山は、にもなっている山なので、知っている人も多いかもしれません。インドでは2番目に高い山で、古代からヒンドゥー教において、信仰の対象にもなってきたんです。

今回は、ナンダ・デヴィ山と、この山にまつわる信仰をみていきます。

ちなみに、インド最高峰の山はカンチェンジュンガ(8586m, 世界第3位)で、こちらはインドとネパールの間にあります。

また、世界一の標高の山エベレスト(ヒマラヤ山脈)は中国とネパールにかけて、世界2位の標高の山K2(カラコルム山脈)はパキスタン中国にかけて、またがっている山です。

1.ナンダ・デヴィ山

ナンダ・デヴィ山は、インド北部のウッタラーカンド州、ガルワール・ヒマラヤ地域(Garhwar Himalaya:ヒマラヤ山脈のインド領の地域)にあり、インドで2番目、全世界では23番目に高い山となっています。

標高は7816mで、「祝福された女神」という意味をもちます。女神ナンダが暮らす場所とされ、山自体が「聖山」と考えられていました。

ナンダ・デヴィ山は、主峰東峰があり、その姿は、猫の耳に例えられることがあります。

また、原始のヒマラヤの自然が、今も残る場所として、1988年に世界遺産に登録されています。青いケシをはじめ、世界的に希少な高山植物が、この地には群生しています。この自然を守るため、現在は入山制限が設けられているということです。

、この地は未開・未踏の地といわれ、19世紀当初は、この山が世界最高峰と考えられていました。その後、エベレストの存在が確認されたのち、1934年に大規模な調査が行われ、1936年には、イギリスとアメリカの合同隊により、主峰への初登頂がなされました。次いで、1939年には、ポーランド隊が、ナンダ・デヴィ山の東峰(7434m)への登頂に成功します。

ナンダ・デヴィ山の主峰と東峰の登頂が成功した後は、両峰を結ぶ縦走が計画されます。1951年、フランス隊によって初挑戦されましたが、失敗し、調査隊は命を落としています。そして1975年、日本・インド合同隊によって、東峰から主峰への縦走が、ついに、成功することとなりました。

2.女神ナンダとヒンドゥー教

ナンダ・デヴィ山に暮らしていると考えられているのが、女神ナンダ(Nanda)で、この地には、彼女にまつわる神話があり、聖地として、多くの巡礼者が訪れています。

ナンダは、この地の先住民族に由来する地母神であり、ヒンドゥー文化の流入とともに、神話と結びつけられ、融合していくことになります。

巡礼の場所として知られているのが、ナンダ・デヴィ寺院です。この寺院は小さく、質素な作りですが、逆にそれが、原始宗教的なにおいを感じさせてくれます。

ナンダは、ドゥルガーの化身とされており、(シヴァの妻で、殺戮を好む神話が有名)同様に、怒りの性格が特徴としてあります。

以下、ナンダの神話を紹介します。

ナンダの神話

ある王朝の王女であったナンダは、他国の王子から、執拗に求愛を受けますが、その異常さから、求愛を拒否します。すると、怒り狂ったその王子は、ナンダの国に戦争を仕掛け、力づくで、ナンダを手に入れようとします。

ナンダの国は戦争に敗れましたが、その王子を拒絶したナンダは、雪に覆われた山の頂上へと逃げ、そこで山と融合し、1つになりました。それ以降、この山にはナンダが宿っていると考えられ、地母神として信仰されてきたということです。

山に宿っていた、聖なる力とナンダが融合したことで、この地に女神ナンダが誕生したという神話です。これは、この地に由来する、土着の信仰で、その後、ヒンドゥー教に融合する過程で、ドゥルガーの化身とされ、以下のような神話が加えられます。

ラクシュミー(幸運を司る女神)が戦場で倒れたため、ハヌマーン(猿の神)が、その治療のための薬を、ナンダが暮らす山へと探しに行きました。

しかし、薬を見つけることができなかったため、急いだハヌマーンは、ナンダの許可を得ないまま、山を壊し、その一部を、ラクシュミのもとへと持ち帰ったのです。

するとナンダは怒り、ハヌマーンの名を口にするもの、すべてを罰するという法を、世界に発令したのです。

こうした神話が伝えられているため、この地域のヒンドゥーの寺院や祠では、決して、ハヌマーンにまつわるもの(絵や神像など)は、ナンダの怒りを恐れるため、置かれないといいます。

一般的な地母神信仰においても、地母神の怒りは、疫病や飢饉などを引き起こすとして、恐れられていますが、ナンダはドゥルガーの化身なので、それに輪をかけて、信仰は慎重に行われるということです。

ただ、この地は山間部にあることもあり、ナンダに捧げる祭祀は質素なもで、供物も単純な石や花、動物などです。

3.ナンダ・デヴィ山と女神ナンダのまとめ

ナンダ・デヴィ山は、インド人の間でも聖地として、幅広く知られています。世界遺産となったのも、古くからの文化が残っているという要因もあったのでしょう。

この地は、一部が国立公園として、制限付きで開放されているようなので、山好きの方にお勧めしたことがあります。エベレストと違い、国境をまたがないので、入国の手続等がなく、スムースな体験ができるようです。

また機会があれば、インドの名所などを紹介してみたいと思います。

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