ナガランド州と首狩り族

ナガランド州と首狩り族

首狩り族」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。その言葉だけでも怖いですが、なんとその「首狩り族」と呼ばれた部族が、今もインドにいて、存続しているというんです。

今回は、その「首狩り族」ことナガ族が多く暮らすナガランド州と、首狩りのもつ意味、文化的背景を中心に紹介します。

1.ナガランド州ってどんなところ?

ナガランド州はインド北東部、ミャンマーとの国境に面する州です。面積は約16,579㎢、人口は最新の国勢調査によると約227万、州都はコヒマです。

アラカン山系の北東部にあたり、ナガ丘陵など、数条の山地が北北東から南南西に走り、その中に河谷(かこく)があります。

  • 河川はインド領からミャンマー領へと流れていきます。
  • 河谷は棚田、棚畑として活用されます。
  • 棚畑では、主に焼き畑農法が行われています。
  • 工業は製糖、製紙業がありますが、いずれも産業としては弱いです。

住民は、ナガ系諸部族と総称され、チベット・ビルマ語派系の言語を話す、アンガミ族、アオ族、セマ族などの、諸部族を中心とした人口構成です。かれらを一括して「ナガ族」と呼んでいます。

ナガ族は、ナガランド州以外の周辺の州にも散らばっており、主要部族は13~16で、細分化された部族を含めると合計66の部族がナガ族として登録され、そのうち35の部族が指定部族として、政府の支援を受けています。

州名であるナガランドは文字通り「ナガ族の土地」という意味です。

ナガ族は、イギリス統治時代に植民地政府と多くの衝突を繰り返し、「首狩り族」との異名で呼ばれ、恐れられました。

  • 言語・文字は、ローマ字化したナガ語(Nagamese)を公用語とし、宗教はキリスト教が多数派となっています。
  • 風貌はモンゴロイド系です。

ナガランド州の地域は、1826年にイギリス領となり、1947年のインド独立後は、インドの行政区として、中央政府の行政権に服してきました。

しかしその後、中央政府への反発から、独立運動が盛んとなり、1960年代以降は、軍隊の出動する事態にまで発展しています。1963年の州への昇格も、中央政府による独立運動鎮静化への試みといわれています。

その後、1972年に和解が成立しました。

2.首狩り

首狩りの慣習は、ヨーロッパやアフリカ、インドネシア、オセアニア、アメリカなどの原住民族の間で行われてきた、世界的に共通する慣習です。南アジアにおいても、北西部の現ヌメリスタンや、北東部のアッサムからミャンマー北部の山岳地帯にかけて、ナガ族をはじめとした諸民族の間で行われてきました。

この慣習をもつ民族は、採集狩猟民であることはまれで、焼き畑などの非近代的農耕民族が多いといわれています。

ナガ族の首狩りに関する調査では、首狩りが農地の豊穣と結びついていることが明らかになっています。この調査によると、首狩りは、物質的な霊の存在や、頭部に霊が宿るという宗教観が指摘されています。頭部に霊が宿るという信仰は、そこに霊を移動させることを目的とした食人の慣習や、農耕儀礼に結び付いた人身供儀などに関連しているといいます。

こうした農耕儀礼に結び付いた首狩りは、一種の社会制度となっています。ナガ族では、獲得した首によってもたらされる霊力は、集落全体の豊穣や繁栄をもたらすことに繋がると信じられています。

ナガ族は首狩りに成功すると、祭宴が行われるなど、集落をあげて祝われました。こうした首は、一般的に集落の外部から取ってこられます。もちろん、生きた人を殺して取ってくることになります。

集落外部の人間の首が選ばれる理由は、富や豊穣は外部からもたらされるという信仰が背景にあります。ナガ族系諸部族は、互いに敵対関係となっていることが多く、相互に首狩りの対象となっていました。これは、農耕に結び付いた儀礼的狩猟ともいえます。

また、首狩りは、それを行う男性の戦士個人の、尊厳にも関わっています。すなわち人の首は、首狩りに成功した個人の勇敢さを表す証拠となり、特別な威厳をもたらすということです。

他方で首を駆られた者の死は、恥ずべきもので、その家族も不名誉であると考えられています。

首狩りを成人の儀式として課す部族もあり、首を狩れないと集落に居場所を作れない、といったこともあったようです。

もちろん現在において、こうした首狩りの慣習は禁止されており、行う部族は存在しないといわれています。

3.ナガランド州と首狩り族のまとめ

現在は、ナガ族による首狩りの慣習は行われていないというのは、残念な気もします(?)が、いろいろ想像力を掻き立てられます。

念のためにと思い、ナガランド州の行方不明者を調べてみました。2018年のデータでは、145人(うち子供97人)が行方不明になっているということです。

首狩りで負けないように、子供を狙うことなんてあるのかな?と心配しつつ、今回の記事を〆たいと思います。

BlogMuraFC2BlogRanking

VISITORS HERE:34,412, HOLI GREEN TOTAL VIEWS : 3,507,563

Previous(down)/ Next(up)
皇帝は日毎夜毎、白亜の廟を望んでは、王妃を偲んで泪したとか。
ボンベイで興ったインドマフィアのボスなんです。