リライアンス財閥:ムケーシュとアニール

リライアンス財閥:ムケーシュとアニール

インド経済界で燦然と輝くリライアンス。3大財閥の一角を占め、現在も巨大化を続けているその勢いには、驚かされるばかりです。

しかし、現在のリライアンスは、創業者ディルバイ・アンバニの跡を継いだ、ムケーシュとアニールの対立から、2つに分裂してしまっています。

今回は、分裂したリライアンスのトップにいる、ムケーシュ・アンバニとアニール・アンバニの関係を紹介します。

1.ムケーシュ・アンバニ

ムケーシュ・アンバニ(Mukesh Dhirubhai Ambani, 1957~)は、インドで最も市場価値があるリライアンス・インダストリーの会長であり、最大株主であり、長年インドで1番の富豪としてフォーブスに掲載されています。

彼はアメリカのスタンフォード大学に留学し、化学工学を学んでおり、その知識はリライアンスの事業にも活かされているといいます。留学途中の1980年、彼は父の要請で、遅延している繊維工場建設の指揮を執るように要請をされ帰国し、見事にその期待に応えることとなります。

以後、父の右腕として活躍し、リライアンスの一大事業であった石油化学プラント建設の指揮などをとっています。

そして2002年、父の死後、リライアンスを弟とともに継ぐことになりますが、分裂することとなり、彼はエネルギー、繊維、天然資源産業を中心に引き継ぐこととなります。

2.アニール・アンバニ

アニール・アンバニ(Anil Dhirubhai Ambani, 1959~)は、2006年に設立されたリライアンス・グループ(リライアンス・ADA・グループ)の会長であり、最大の株主です。フォーブスによる世界の富豪ランキングにたびたび載っていましたが、現在、彼の所有資産は急激に減少し、ランク外となっています。

彼はアメリカのペンシルバニア大学へ留学し、経営管理の修士号を収め、以後リライアンスグループの経営に関わっていきます。

ムケーシュは確実な事業拡大を慎重に計画するのに対し、アニールの経営手法はしばしば「派手」と形容されるように、不確実性のビジネスを追求する傾向にあったといわれています。

そうした傾向が、ムケーシュとの対立を招くことになります。

そして2002年、父の死後、兄とともにリライアンスを継ぐことになりますが、分裂することとなり、彼は金融サービス、建設、エンターテイメント、電力を中心に引き継ぐこととなります。

3.父の死後のムケーシュとアニール

父の死後、周囲は兄弟が協力し、リライアンスを運営していくことに期待し、当初は協調の上の経営がなされていました。しかし、父が一代で築き上げた会社の経営は難しく、兄弟の間で次第に、経営方針に違いが表れ始めます。

2005年に入り、兄弟の不仲が顕在化していきます。そして母の仲介により、一時は上手く行ったように見えましたが、結局物別れに終わり、分裂は決定してしまいました。分裂が公表され、2人は互いの会社の同業分野への進出や、競争を禁止する協定を結びます。

分裂後、父が作り上げたリライアンスは分裂しても、強固であり、順調な推移を遂げていきました。しかし、2008年のリーマンショック以降、、兄ムケーシュが運営するガス油田によるガス価格引き上げを巡り、両者は激しい対立をし、批判合戦を行い、ゴシップ的に多くのインド人の注目を集めました。

その後、政府の介入があり、ガス価格の設定の権限を、政府に委任するとなりました。そして、従来守られてきた、互いの競争を禁止する協定が、撤回されることになります。

アニールは、インドの携帯電話業界を牽引するリライアンス・コミュニケーションを運営してきましたが、ムケーシュも携帯電話産業に参入をし、2007年、JIOを設立します。2つのリライアンスの競争は注目を集めましたが、この勝負はムケーシュの圧勝となります。

低価格路線で携帯電話産業に参入したJIOは、瞬く間にインドで圧倒的シェアを奪い、同業他社を次々と廃業に追い込むことになります。その中に、アニールのリライアンス・コミュニケーションも含まれ、ムケーシュに買収されることとなりました。

この買収劇に代表されるように、アニールのリライアンス・グループ全体の経営は傾いてしまいます。そして、スウェーデンのエリクソン社からの融資の返済が滞り、アニールはされることとなってしまいます。

困窮していたアニールを救ったのは、ムケーシュでした。ムケーシュはアニールの返済を肩代わりし、アニールの救出をする形になりました。このムケーシュに対し、アニールは感謝の声明を出しています。

こうして20年に渡った兄弟喧嘩が和解したと、当時、世界中で報道されました。

4.リライアンス財閥:ムケーシュとアニールのまとめ

一時、経営が傾いたアニールのリライアンス・グループは現在、アニールの長男の活躍もあり、持ち直しつつあるといいます。

アニールに比べモケーシュの経営センスは、世界中から評価されています。携帯電話事業参入からわずかの期間で、インドのシェアを席巻した手腕は、流石の一言です。

現状の流れでは、合併することはまだなさそうですが、いずれ本当の和解があれば、再び一つになる日が来るのかもしれません。その日が来ることを祈って、今回の記事を〆たいと思います。

BlogMuraFC2BlogRanking

VISITORS HERE:4,034, HOLI GREEN TOTAL VIEWS : 3,506,287

Previous(down)/ Next(up)
ターバンに注目すると、シク教徒が意外といることに気付くのではないでしょうか。
リライアンスは、創業者一代で今の地位を築き上げたことでも知られています。