インドで多くの人を殺してきたテロ組織:ラシュカレトイバ

インドで多くの人を殺してきたテロ組織:ラシュカレトイバ

インドでは定期的にテロが起こり、テロリスト関連のニュースは日常のものとなっています。

今回紹介するのは、インドで多数のテロを起こしてきたとされるラシュカレトイバという組織と、かれらの起こしたテロ事件です。この組織は、ムンバイで2008年に起きた同時多発テロの際に、犯行声明を出したことでも知られています。

1.ラシュカレトイバってどんなテロ組織?

ラシュカレトイバ(Lashkar-e-Toiba,以下LeT)は「高潔な戦士」を意味し、1990年、インド・パキスタンの領土紛争の場となっているカシミール地方の分離独立を掲げ、設立されたテロ組織です。LeTはパキスタン国内に6か所の軍事拠点を有し、2200人の構成員を抱えているといいます。

かれらは、南アジア全域を支配するイスラム帝国を目指すとして、以下のことを標榜しています。

  • 南アジアはイスラムのものであったが、キリスト教の十字軍によって奪われた
  • 南アジアをイスラムの手に取り戻すことはジハードであり、すべてのイスラム教徒の義務である

LeTの指導者は、イスラム過激派指導者であるハフィズ・・サイード(Hafiz Muhammad Said, 1950~)で、インドに対し以下のことを述べています。

  • 「インドが無傷でいるかぎり、平和が訪れることはない」
  • 「やつらを切り裂き、我々の前に跪き慈悲を乞うまでやり続ける」

彼の考える平和に、一切の共感はできません。

LeTの支援者として最初にあげられるのは、アルカイダのビン・ラディンです。その他にも、サウジアラビアなどから資金が流れているとの報告もあります。こうした資金を基に、テロリストの教育や軍事訓練が行われ、インド各地で自爆テロなどを起こすテロリストを育成しています。

また、LeTはパキスタン政府や軍と繋がりがあるとみられ、それらから助けを受け、インドの実効支配するカシミール地方などに入り、インド軍を狙ったテロを起こし続けているとみられます。

9.11のテロ以降、アメリカによりLeTはテロ組織認定を受け、パキスタン政府もそれに続いたため、表向きは宗教組織「ジャマートゥル・ダワ( Jamat-ud-Dawa)」と改名をしています。

その後2019年、再び活動を政府により禁止されたため、ファラーエインサニアート財団(Falah-e-Insaniat Foundation)と名を変え、従来通りの活動をしています。

ラシュカレトイバはパキスタン国内で、テロとは違う活動も行っています。パキスタン国内に16の機関をもち、135の中等学校、救急車派遣のサービス、派遣医療、血液バンク、神学校などを運営しています。ただ、そこで教えられるイスラムの思想は「危険な思想」であり、対外的にはテロ養成機関として警戒されています。

2.ラシュカレトイバが起こしたテロ

ラシュカレトイバは、カシミール地方をはじめ、インド各地でテロを行ったとみられています。

ここでは、かれらの行ったとされる4つの有名なテロを紹介します。

①ワンダマの虐殺

1998年1月25日、インドのカシミール地方のワンダマという、ヒンドゥー教徒が多く住む村を武装集団が襲い、ヒンドゥー教徒23人を殺害しました。

生き残った人々の話によると、当初この武装集団は、インド軍人を装い村を訪れ、村人と談笑をしたのち、村人を広場に集め、銃を用いて23人を殺したということです。

事件後、デリーでカシミール系ヒンドゥー教徒がデモを起こし、小規模でしたが暴動へと発展したため、11人の負傷者を出しています。

②チッチジンプラの虐殺

2000年3月20日、カシミール地方のチッチジンプラという、シク教徒が多く暮らす村を武装集団が襲撃し、35人を殺害しました。この日、シク教徒の祭り「ホーラー・マハラ」を祝っていたところを襲われたということです。

事件後、シク教徒による政府とパキスタンへの批判が高まり、事件のあった村近くで5人が虐殺事件に関与したとされ、軍により殺害されました。

しかし、殺された人々は事件と無関係だとわかり、より激しい反発を呼んでいます。

③ムンバイ列車爆破事件

2007月11日、マハーラーシュトラ州を走るムンバイウェスタンラインが狙われ、わずか11分の間に6回の爆破が起こり、計209人の死者を出しました。

このテロ後、全インドの主要都市で厳戒態勢が敷かれ、緊張が高まりました。

このテロの後、LeTは犯行声明を出しています。

④ムンバイ同時多発テロ

2008年11月26-29日、ムンバイのタージマハル・パレスホテルなど、ムンバイ各地で同時多発テロが起き、計166人(外国人29人、テロリスト9人も含む)が死亡しました。

5スターホテルが襲われたことでも有名なこのテロは、世界中で報道され、批判が巻き起こりました。

このテロリストたちは、パキスタンから海路を用いてインドに密入国したとみられ、LeTのもとテロ訓練を徹底して受け、厳選されたメンバーであることが明らかになっています。

3.インドで多くの人を殺してきたテロ組織:ラシュカレトイバ

LeTは多くのテロを起こしており、現在もインドのカシミール地方で、かれらの息のかかった可能性のある人々によるテロが起きています。

日本でも大きく報道されたムンバイの同時多発テロも、LeTが関与していたということで、世界各国でテロ組織認定をされています。

LeTの指導者であるハフィズ・ムハンマド・サイードは、アメリカから懸賞金がかけられており、その額は1000万ドルにもなっています。

私もデリーでテロ後の様子を見たことがありますが、少しでもこうした状況が終息へと向かうことを祈って記事を〆たいと思います。

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ヒンドゥー社会において、不可触民は不可分な存在であるとしています。
「ダリトスタン(ダリットの国)」の建設を要求し、州知事に「インド市民権放棄書」を提出します。