インドの部族:ジャラワ族 外界と隔絶されていた部族

インドの部族:ジャラワ族 外界と隔絶されていた部族

インドにはさまざまな部族がいるといわれています。山岳民族や島などに暮らし、独自の文化をはぐくんできた部族が多く、インドの発展とともに、徐々に部族民の都市化、教化は進んできているといわれています。

しかし、都市化や教化は、部族特有の文化を弱めてしまうこともあります。そうした中、現在存続の危機に瀕している部族もいます。具体的にどういった理由で、存続の危機は起こってしまうのでしょうか。

今回はアンダマン諸島で暮らし、存続の危機に瀕しているジャワラ族(Jawaras)と、かれらが現在おかれている問題について紹介します。

1.ジャラワ族ってどんな部族?

ジャラワ族はインド東部のアンダマン諸島の南アンダマン島に暮らす部族で、250~400人、各40 ~ 50人のグループで生活をしているといわれています。ジャワラ族は伝統的にをしており、野山では弓矢や犬を用いて野生のブタなどを狩り、果物やイモ類、ハチミツを採ります。

また、海に囲まれた島で暮らすため、海産物もかれらにとって重要な食糧で男女ともに魚を獲ります。

ハチミツを採る際は、蜂の鎮静作用のある、植物から抽出した液体を使っています。ハチミツの収穫期には、グループで喜びを表現するためにグループ全体で歌い祝います。

かれらは狩りに行く際や侵入者を襲撃する際は、パソ(Patho)と呼ばれる弓とケカド(Kekad)と呼ばれる衣服を身につけるのが知られています。一切の近代化がみられないかれらの暮らしは、太古の暮らしを残していると注目を集めています。

2.ジャワラ族の歴史

アンダマン諸島には、26000年前から人が住み始めたとされています。その中でジャワラ族は生まれました。植民地支配が及ぶ18世紀後半まで、ジャワラ族は外部と隔絶していたといわれています。その中で、前項であげた文化を育んできました。

インド本土が植民地化されて以降、入植者との接触は強制されることになります。その従来はなかった接触は、肺炎やインフルエンザ、麻疹、はしかなどの流行に繋がります。19世紀に流行ったはしかでは、人口の50%が死んだといわれています。

インド本土のインド人と異なり、文明化されていなかったため、イギリス政府とのやり取りもままならなかったといわれています。そのため、イギリスはかれらのコミュニティを破壊するために、島に刑務所を建てるなど、先住民の土地を侵略していき、部族の力の衰退させました。

まれにイギリス人を殺す事件も起きたようで、イギリス側の報復で数十人が殺されたとの記録もあります。

イギリス支配末期には、侵略してきた日本軍による爆撃もあり、多数の死者を出したといいます。

3.アンダマン諸島ってどんなところ?

インド東部ベンガル湾にアンダマン諸島はあり、大小合わせて302の島からなっており、そのうち276の島はほぼ無人だといわれています。最新の国勢調査では、人口は約34万人です。南方にあるニコバル諸島とともに、連邦直轄地域アンダマン・ニコバル諸島を形成しています。産業は発展しておらず、近年は観光収入が大きな財源となっています。

イギリス統治下の1857年以降、アンダマン諸島はイギリスへの政治犯の流刑地となり、インドやビルマから多くの流刑者が送られ、人口が増加しました。その後、インド人やビルマ人移住者も増え、原住民との混血が進み、現在の人口構成になっています。

現在の住民の大半は、インド人移民です。

主な先住民族としては、

  • 大アンダマン族(Great Andamanese) : 52人
  • ジャラワ族:380人
  • オンゲ族(Onge) : 101人
  • センチネル族(Sentinel) : 100ー200人

がいます。

ジャンギル族(Jangil)という部族もいましたが、1921年に絶滅しています。これら部族は、それぞれが異なる言語・文化をもち、数千年かけて発展してきたといわれています。

この諸島の先住民の数が減っている、または絶滅した原因としてあげられているのが、外部との接触による伝染病や開発です。

4.観光地化と開発によるジャワラ族への影響

ジャラワ族は、現在さまざまな要素から、部族本来の姿が危険に晒されているといわれています。ここでは、しばしば指摘されている道の開通と、観光の問題点をみてみます。

4-1.グレート・アンダマン・トランク・ロードの開通

ジャワラ族の暮らす南アンダマン島に開通した国道4号線が、グレート・アンダマン・トランク・ロードです。島北部から南部にあるポートブレアを繋ぐ道路で、島を縦断しています。この道の開通以降、ジャワラ族のテリトリーに侵入する人が増え、そこで猟をする人たちも出ています。

こうした部族でない人たちの侵入の増加は、感染症を引き起こし、現地の環境を破壊するなどの問題が上がっています。

2001年に裁判所は判決で、ジャラワ族の保護措置を講じることを政府に指示し、ジャラワ族のテリトリーの新たな開発を禁止しています。

4-2.観光客の往来

ジャワラ族は太古の暮らしを今も維持する部族として、興味の対象になっています。ジャワラ族のテリトリー内の開発は法で禁止されましたが、その域外においては異なります。

かれらのテリトリーから3kmほど離れた土地にリゾートが作られ、ジャワラ族を見るための観光バスツアーを行っています。こうしたツアーは人間サファリとして批判され、人権問題にもなっています。

5.インドの部族:ジャワラ族 外界と隔絶されてきた部族のまとめ

ジャワラ族の暮らしは、一切の近代化がみられないため、現在も太古の生活をする部族として知られています。ただ、現在のような外界との接触が続けば、数十年のうちにジャワラ族は消滅してしまうといわれています。

人々の興味の対象となることはわかりますが、こうした希少部族の保護に政府はもう少し力を入れて欲しいものです。少数部族の存続を祈って〆たいと思います。

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