インドと英語:黎明期から現在

インドと英語:黎明期から現在

インドに住んでいて、英語がある程度話せる方であれば、日常生活で言語の苦労することは少ないのではないでしょうか。人力のリキシャワラーは話せないのは仕方ありませんが、オートのドライバーは、大抵コミュニケーションを取れます。

下町の大衆食堂に行っても、「外人」の私が入れば、英語のメニューを出してもらえることも結構あります。

今回は、インドにおける英語の立ち位置をみていきます。

1.インドの英語

インドの英語話者は、約1.3億人、全人口の約10.6%となっています。ただ、どの程度の英語力があれば英語話者とするのか、明確な基準は定まっていないため、こうした数値は正確とはいえません。

都市部の店の販売員や、オートリキシャのドライバーが、英語でコミュニケーションをとれるように、英語話者の割合が、日本に比べ相当高いことは、容易に想像ができます。

インドの州は言語を基に編成されていることからもわかるように、公用語としての言語は22言語がカウントされており、全体では200以上の言語があるといわれています。公用語の他にも、部族民が用いる言語のように、話者数の少ない言語や方言などで細分化されており、すべての言語を把握することは、かなり困難です。

このように、多様な言語が存在するインドで、英語はヒンディー語と並び、準公用語として定められています。これはイギリス統治下、全インドで英語話者が一定数生まれ、インド北部と南部の言語では意思疎通が困難でも、英語であればコミュニケーションがとれることから、共通語としての地位を得ました。

こうしたことは南アジア全域でいえ、パキスタンでも、国語ウルドゥー語に次ぐ公用語として、英語は扱われています。

その他の南アジア諸国でも、英語は政治、経済、、ジャーナリズムなどにおいて、重要な役割を果たしています。

2.英語黎明期

南アジアに英語教育を普及させたのは、東インド会社です。

イギリス植民地政府が、英語を普及させようとした理由は、見た目がインド人でも、趣味や思考、道徳、知性においては、イギリス人たりうる人々を作ることだといいます。そうすることで、植民地政府と「使用されるインド人」との間の通訳や、指示役を任せられるミドルクラスを創出していきました。

イギリス植民地期、英語を覚え、上記のような新しい仕事についた人々をミドルクラスと呼んでいます。

植民地下において、当初の英語教育は、布教活動を行っている教会などを中心に行われてきましたが、学校の整備なども進められ、官吏(かんり)採用に際して、英語話者を優先する政策がとられています。

1857年には、マドラスカルカッタに大学が設立され、そこでの教育もすべて、英語で行われました。

3.独立以後

独立後のインドでは、独自の言語政策を実施してきましたが、今日でも英語能力が、教育や知性など、様々な評価に関わっており、社会的ステータスを獲得するためには、必要不可欠となっています。

この、英語を社会的に、半ば強制される実態は、「植民地時代と同じではないか」との批判もあります。

以前行われた社会調査では、職場において、例え同郷であろうと、上司や同僚とは英語で話す傾向にある、というデータがあるそうです。しかし、職場の中でも、小間使いのような人間には、共通の母語で話す傾向にあるといいます。これは、小間使いなど格下のものたちに、あえて母語を使うことにより、相手に劣等感を抱かせ、優越感にひたっているとの指摘があります。

逆に、初対面のインド人に対し、母語で話しかけると気分を害す人もいるということです。相手に、教育を受けていないと思われたと感じ、不快に感じるようです。

ただ、私の周りのインド人は皆、英語を話せますが、同僚と話すときもヒンディー語を使っていたので、地域によって差があるのかもしれません。

インドにおける英字新聞、英字誌の流通量をみればわかるように、インド人にとっての英語への信頼度は、圧倒的といえます。英語は、インドの多様な地域に左右されない言語として、長らくその地位を守っていますが、それによる弊害も指摘されています。

州で公用語に指定されている言語はまだしも、その他の地域言語部族言語は、教育などの場においても、発展の機会(各言語ごとの文学など)が奪われてしまっています。、英語、州の公用語のもとに学校教育が行われているため、その他の言語による教育の機会は、なかなか与えられていないためです。

こうした現状は地域ごとに異なり、本来は多様性をもっているはずの、文化の幅を狭めてしまっています。

4.インドと英語のまとめ

インドにおいて、英語が文化的に根付いていることをみてみました。

例えば、カシミール語とインド南部の公用語マラヤーラム語では、文字からまったく違うため、お互いの言葉で話したら意思疎通はできませんが、そういう場合は、互いに学校で学んできた英語を話して意思疎通をする、ということが当たり前になっています。

日本も、インドの英語教育を少しは学んで、語学力向上のために頑張って欲しいなと思い至ったところで、今回の記事を〆たいと思います。

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