グジャラート州と同州の抱える諸問題

グジャラート州と同州の抱える諸問題

グジャラート州がどんな州か、ご存知でしょうか?私には縁のない州だったので、正直詳しくありませんでした。ただ、先日ちらっとみたら、派手な環境汚染宗教対立などの問題があり、興味を持ってしまいました。

そこで今回は、グジャラート州の紹介と、同州の抱える問題をみていきます。

1.グジャラート州ってどんな州?

グジャラート州は、インド西部に位置し、に面しています。面積は約19.6万㎢、人口は2011年の最新の国勢調査によると、約6270万人、州都はガンディーナガルです。

地形的には、カッチ半島カーティアーワール半島カッチ湿地東部沖積平野に分かれます。

  • 半島部は、かつて島でしたが、時代とともに海底が隆起し、今の半島の形になったといいます。
  • カッチ湿地は、海底の隆起に伴い、以前は海の下にあった場所が半陸地化した結果、湿地となっています。その他の湿地化の要因としては、1819年の大地震の際に、地層がずれたため、インダス川の流入が同地で堰き止められたことや、乾燥気候による水の蒸発が挙げられています。ちなみに1819年の地震は、M7.7死者2000人とされ、ネパールでもその揺れを感じたといわれています。
  • 東部沖積平野は、グジャラート平野とも呼ばれ、サバルマティー川、ナルマダー川などの堆積作用により、形成されています。

グジャラート州の北東部に位置する、アラヴァリ山脈やヴィンディヤ山脈などの山脈には、ビール族をはじめとした少数民族が暮らしています。

年間降水量は、東部沖積平野では約1700mm、西のカッチ湿地では300mm以下と、地域によって大きな開きがあります。

同グジャラート州は、の都市遺跡が発見されるなど、様々な史跡があることでも知られています。

2.グジャラート州の産業

グジャラート州は、インド有数の工業州といわれ、アーメダバードヴァドーダラー、そしてスラトには、伝統的な繊維に加え、石油精製、化学、電機、薬品、化学肥料、製油、ダイヤモンドなど、様々な分野の工業・産業があります。

同州のGDPは、インド第3位となっています。

グジャラート州の農業は、東部沖積平野を中心に行われています。灌漑面積率は、湿地帯などの悪条件も重なっているため、極めて悪く、農業生産能力も評価されていません。

  • 農産品としては、綿花落花生が知られています。
  • 主穀作物は、モロコシヒエなどの、夏作雑穀類が多くなっています。

工業は、ヴァドーダラー、アーメダバード、スラトが知られています。1958年以来、東部沖積平野で、天然ガスが多く発見され、工業都市ヴァドーダラー近郊には、石油化学コンビナートが建設されています。

  • ヴァドーダラー周辺は、蛍石の世界的な産地です。
  • 平野北部は陶器の産地として知られ、インド最良の陶土を採れることでも知られています。
  • の生産量は、インド全体の半分以上を占めています。

以前は、アフマダーバードの綿業が、同州の工業の中心でしたが、石油発見以降、多様化が進んでいます。

近年、港湾都市であった南部のスラトも、注目を集めています。GDPも、インド第10位の都市となり、ITスマートシティとして、今後の成長を期待されています。

3.グジャラート州の抱える諸問題

グジャラート州が抱える問題として、環境汚染と宗教対立を紹介しましょう。

3-1.環境汚染

グジャラート州は、環境汚染の深刻さが指摘されており、毎年約5万人の死者を出しているといわれています。

アーメダバードは、グジャラート州の中でも、極めて汚染が進んだ都市として知られています。PM2.5、PM10ともに、重度の汚染が確認されており、世界最悪といわれるデリーと同程度の汚染が進んでいるとのデータがあり、深刻さが伺えます。

こうした汚染物質は、工場や発電所、排気ガスなどを中心に、排出されています。

工場などには、政府が課した環境基準がありますが、効率を優先してしまうため、守られているケースは少ないとの指摘もあります。

3-2.宗教対立

グジャラート州、とりわけアーメダバードは、ヒンドゥー対ムスリムの、激しい対立が起きていることでも知られています。しかし、グジャラート州は、独立期などにおいても、宗教対立は顕在化していない地域で、1950年代までは、大きな事件も起きていませんでした。

宗教対立が現れ始めたのは、1960年代に入ってからで、に爆発することとなります。1960年代に入り、工業化の進展とともに、周辺部からの流入によって、アーメダバードは人口が急増します。それにより、1960年代半ば以降、従来、同都市で働いていた人々の多くが、失業してしまいました。流入した人々は、低賃金でも働く人が、多かったためです。

また、アーメダバードでは繊維産業が盛んでしたが、ムスリムが繊維労働において熟練しているとの話が広がったため、外から来たムスリムに仕事を奪われたと感じるヒンドゥーが増え、不満がたまっていったといいます。そうした不満のはけ口として、暴力をムスリムに向ける事件が広がっていきました。

そして1969年9月から10月にかけて、互いが互いを襲い合う暴動に発展してしまいました。この事件により660人の死者が出たと、公式には発表されています。

この暴動以降、多くのムスリムが鉄条網で囲われた「ゲットー」呼ばれるスラム街で暮らすようになるなど、互いに憎しみの意識は残ったといいます。

その後も、衝突はたびたび起き、2002年には、2500人以上のムスリムが殺される暴動が発生しています。

4.グジャラート州と同州の抱える諸問題

グジャラート州は、独特な地理条件をもつ場所なので、湿地帯などに観光でいってみたいと思いました。そして私の興味のある宗教対立など、宗教にまつわる問題も多くある州のようです。

ムスリムが暮らす「ゲットー」と呼ばれる地区も、面白そうな場所です。次回の記事では、この「ゲットー」と呼ばれる地域について紹介してみたいと思います。

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ジュハプラ内部での自給自足を目指し、学校や病院、市場など、生活に必要とされるものを、自ら作っていった…
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