ヒンドゥ―一番人気の神様:ガネーシャと鼻の向き

ヒンドゥ―一番人気の神様:ガネーシャと鼻の向き

ヒンドゥー教で一番人気の神様は誰?とインド人に聞くと、多くの人がガネーシャと答えてくれます。インド人の友人の家に行くと、だいたいガネーシャの像や絵、写真などが飾られています。

今回はその一番人気の神様と、日本人はあまり知らない鼻の向きが持つ意味について紹介したいと思います。

1.ガネーシャとは

ヒンドゥー教の神ガネーシャは「神々の群の主」を意味する名前です。

知恵と豊穣の神であるガネーシャはあらゆる障害を取り除くといわれ、この神への信仰は学問の成就、農業の豊作、商売の繁盛を約束します。

シヴァ神とパールヴァティの息子とされ、その身体は大きな太鼓腹をもつ人間のものですが、顔は象になっており、牙を持ち、ネズミを乗り物にします

  • 大きな象の頭は、人生で生じる問題に取り組むために必要な知性、知恵、精神力を象徴しています。
  • 大きな太鼓腹は、この世のすべての良いこと、悪いことを消化するために必要な活力を象徴しています。
  • 象の鼻は、すべての現世の問題を処理するために必要な適応力や迅速性を象徴しています。
  • ネズミは無知、激情の象徴で、ネズミに乗ることは無知や激情を克服することを象徴しています。

ガネーシャは元来、土俗の神でしたが、後世になりシヴァ神話と結び付けられた比較的新しい神で、古代の動物神話のなごりで象の顔を持つとされています。

ガネーシャに関する神話は古典の『ラーマーヤナ』や『マハーヴァーラタ』にはみられず、5世紀以前に作られたガネーシャ像は見つかっていません。信仰の始まりは6世紀ごろとされています。後世になり、ガネーシャ信仰は急速に広まり、ヒンドゥー教の宗派であるガナーパティヤ派の主神とされました。

仏教、特に密教でも取り入れられ、大聖歓喜自在天(聖天、歓喜天)として日本にも伝わり、今日に至るまで民衆に信仰されています。

2.ガネーシャの鼻の向き:右か左か

ガネーシャの鼻の向きは、前項で挙げた以外にも、さらに意味があるといわれています。

この鼻の向きはガネーシャにとっての鼻の向きで、最初に右を向いて最終的に左に鼻が向いていても、最初に向いた鼻の向きが意味を持つようです。

  • 一番多い鼻の向きが、ガネーシャから見て左向きといわれています。左向きの鼻のガネーシャは、一般的に月のエネルギーを表して女性的といわれています。これは穏やかさや平和な日常を表しています。
  • 右向きの鼻のガネーシャは、一般的に太陽のエネルギー表し、男性的といわれています。これは、活発さや攻撃性を表しているといいます。

こうしたガネーシャの鼻の向きの特徴は、ヒンドゥ―文化が強く反映されています。

人間の肉体には男性性と女性性、2つの性格があると考えられ、左半身は女性、右半身は男性と表されることがあります。有名なものでは、ガネーシャの父シヴァと母パールヴァティーが合体した神、アルダナーリーシュバナがいます。シヴァが右半身、パールヴァティーが左半身の神様です。

ガネーシャの鼻の向きによって異なる特徴は、こうしたところからも影響されているようです。

私はまだ見たことはないですが、まっすぐの鼻のガネーシャ像もあるといいます。このガネーシャは、エネルギーの入り口であるチャクラが完全に開き、解脱していることを表しているそうです。

解脱は、ヒンドゥー教徒の究極の目標として考えられています。この解脱は輪廻転生からの脱却を意味します。小難しい哲学的な話になるので解脱の具体的解説は省きますが、解脱はヒンドゥーにとって大変重要視されています。

左向き鼻の性格がパールヴァティーに、右向きの鼻の性格がシヴァにそれぞれ影響された意味合いをもっていることに、ヒンドゥ―文化の奥深さを感じます。

3.ガネーシャがインドで広まった理由

余談ですが、ガネーシャが広がった大きな要因として、独立運動の有名な活動家ティラクが挙げられます。

西インドのマハーラーシュトラ州で盛大に行っていたガネーシャの祭りを、インド独立に向けたヒンドゥ―結束の装置として、各地で行うように指導したために、一気に広まったといわれています。この祭りは、土で像を作り、10日間子供をあやすようにして世話をし、祈りを捧げた後に、ガンジス川にその像を流してお別れをするというものです。

ガネーシャが全インドに広まった理由が政治的なものであったのは意外ですが、今では庶民の間に完全に根付いています。

4.ヒンドゥ―一番人気の神様:ガネーシャと鼻の向きのまとめ

商売繁盛や学問成就の神様として、インドや日本でも広く信仰されているガネーシャ。

私も以前は、ガネーシャは商売繁盛の神様という程度のことしか知らず、漠然と家に絵を置いていましたが、インド人の友人からこの絵は縁起が悪いからかダメだよ、と言われ鼻の向きのことを教えてもらいました。私の家にあった絵は右向きでした。破壊神シヴァの性質が、右向きの鼻のガネーシャには帯びていると、インド人の友人は考えていたようです。

それまでは可愛い神様としか思っていなかったのですが、そのエピソード以来、興味をもってガネーシャグッズをインドの方々で買い集めるようになりました。

100以上のグッズを集めたと思いますが、それでもまっすぐの鼻のガネーシャには出会えていません。今後も探してみたいと思います。

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世界には、旅行する人をその土地から中々離れられなくして、沈没させてしまうような場所がたくさんあります…
この悪習の根絶にはまだ時間がかかりそうです。