果物とヒンドゥー教

果物とヒンドゥー教

インドに長くいると、インド料理に疲れたという人も多いのではないでしょうか。そんな時に私がよく食べていたのが、町で売っているカップラーメンと果物です。

インドには豊富なフルーツがあり、市場に行くと初見の不思議な形をした果物に驚いたことがあります。私はジャックフルーツを見て、何だこの大きさは・・・ と驚き、値段の安さにまた驚かされました。マンゴーやパパイヤ、その他の果物も安く買えるので、安心して爆買いをしてしまいます。

ちなみに私がインドで一番好きな果物は定番のマンゴーで、冷蔵庫で冷やした後、よく揉んで実を潰し、マンゴーの先を切ってシェイク的にしてよく飲んでいました。

今回は、インドで作られている果物や、果物にまつわるヒンドゥーの考えを簡単に紹介してみたいと思います。

1.インドの果物

インドの果物として真っ先に頭に浮かぶのはマンゴー、バナナあたりでしょうか。

  • マンゴーは果物の王様といわれ、シーズンは5~です。50gほどのものから1.5kgほどのものまで1,000種をこす品種があるといわれ、アルフォンソは日本でも知られています。熟れたものは生食、熟れる前のものは料理やピクルスにも用いられます。
  • バナナも品種が多くあり、生食から料理まで幅広く用いられています。
  • パパイアもインドではポピュラーな果物で、町を歩いているとパパイアの木を見かけることも多いです。パパイアも生食から料理まで幅広く用いられています。

また、インドでは妊婦がパパイアを食べると流産する恐れがあるとの民間信仰がありますが、科学的な根拠はないようです。

シトラス系の果物も多くの品種があります。

マンダリンは甘みが強く、ライムはインド料理には必ずといって良いほど添えられてきます。

ハイダラーバードを中心とするデカン高原は、古来からブドウの産地として知られており、生食からワイン作りにも用いられており、フランスの三ツ星レストランでも出す店があるそうです。

日本ではあまり知られていないインド原産の果物をいくつか紹介してみましょう。

  • チークー(chiku、サポジラ、サポータ)は、じゃがいものような外見で、切ると柿のような見た目で大変甘いです。
  • シターファル(sitafal、シュガーアップル、釈迦頭)は、外見は緑色でデコボコがあり、1つずつ剥がすことができ、大変甘いです。シターファルという名は、『ラーマーヤナ』の女主人公の1人である「シーターの実」という意味です。
  • ジャックフルーツ(Jack fruit、波羅蜜)は、緑色の大きなラグビーボール状の外見で、細かい無数の突起があり、20kg以上の大きなものもあり世界最大の果物としても知られています。熟すと黄色く、身は小さな房状になっており、甘い果肉が詰まっていますが、強烈な臭いを放ちます。ジャックフルーツの種は大きく黒いそら豆のようで、果肉とともにしばしばインド料理に用いられます。
  • 椰子(ヤシ)の品種も数多くあります。
    • その中でもココヤシは最も利用頻度が高く、実の中の胚乳水は安全な天然のジュースとして、果肉は料理やお菓子の素材として使われます。
    • サトウナツメヤシは、果肉に甘みがあり美味しく、樹液からは砂糖や酒が作られます。
    • アリカヤシの堅い実は、食後に噛む嗜好品として、インドで広まっています。

2.果物とヒンドゥー教

それぞれの果物、果実には、たいてい宗教的な意味合いが与えられています。

例えばマンゴーの森は神々が住む場所と考えられています。そのため、ヒンドゥー教における神像礼拝の儀式で用いられ、火を起こす際や、祭壇などは一般的にマンゴーの木で作られることが多いといわれています。祝い事がある場合は、戸口にマンゴーの葉を並べ、ぶら下げる宗派もいます。

バナナとココヤシの実も神聖であり、豊穣・多産を意味する果実と考えられています。結婚式の式場がバナナの木で作られたり、新婦から新郎にココヤシの実が贈られることもあります。

新婦は、祭祀の際に神様にお供えとして捧げられた供え物(プラサーダ、prasada)を食べることがあります。これは宗教的に、神様からの恩を受けるという意味あいがあります。プラサーダはサンスクリット語で「恩恵、清浄さ」を意味します。

ヒンドゥーの寺院の前で、行商がしばしばマンゴー、バナナ、ココヤシの実を売っているのも、こうした宗教的な意味からです。

その他にも果物と神様の宗教的な結びつきが、さまざまな聖典、神話の中で描かれ、果物の薬効なども記され、民間信仰として広まっています。

グアヴァはドゥルガー女神、ジャックフルーツはヴィシュヌ神、ザクロはラクタカーリー女神にまつわる神話があり、それぞれ供物として捧げられています。

アリカヤシの実は、叡知の神ガネーシャを象徴していると考えられています。

3.果物とヒンドゥー文化のまとめ

今回紹介したような神様と果物の関係は、さまざまなヒンドゥー聖典でみられ、シヴァがマンゴーを食べる神話など、多種多様な意味合いが付与されています。ヒンドゥー教では森羅万象に神が宿る、関係すると考えられているため、無数の神話が生まれているようです。

町中の市場で果物売っているおじさんでも、英語を喋れる人は結構いるので、こうした質問をすると喜んで教えてもらえると思います。自分が好きな果物にまつわる神話を覗いてみるのも、インドの楽しみ方の一つです。

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