新型コロナを利用したフェイクニュースとイスラム憎悪扇動

新型コロナを利用したフェイクニュースとイスラム憎悪扇動

現在、インドでも猛威を振るっている新型コロナウィルス

2020年5月現在、インド全土でロックダウンを行ったにもかかわらず、死者の数は増え続けています。こうした混乱時、日本でもそうですがデマが広まりやすく、デマを基にした混乱が起きてしまいがちです。

今回は、新型コロナのインド流行以降に起きた、対ムスリムへの憎悪を煽る言説と、それに影響された暴力をみていきます。

1.2020年5月現在のインドの新型コロナの現状

この記事を書いた5月上旬のデータでは、インドにおける新型コロナウィルスへの感染者数35,000人以上、回復者9,000人以上、死者1,100人以上となっています。感染者は、3月中旬から増え続けていますが、欧米ほどの爆発的な死者の拡大は防げている、というのが現状でしょうか。

ちなみに感染者数、死者共に最も計上されているのがマハーラーシュトラ州で、感染者は10,000人以上、死者は350人以上となっています。感染者の数では、グジャラートデリーと続いています。

インド政府の対コロナ対策として、日本でも注目されたのが、インド全域にわたって3月25日から行われたロックダウン(都市封鎖)です。約13億人の人口と、広大な国土をもつインドに可能なのか、と話題になりました。市中を出歩く人々を警察官が殴りつけたり、筋トレをさせたりと、シュールな映像が世界中で報道されています。

自粛を強制される中、人々は不安から不満のはけ口を探しがちです。日本でも、様々な罵詈雑言がSNSで飛び交っていますが、インドでも同様のようです。次の項からは、コロナ騒動以降に登場した、イスラムへの憎悪扇動・フェイクニュースをみてみたいと思います。

2.ヒンドゥー至上主義者によるムスリムへの憎悪扇動

現在、インドに混乱を招いている新型コロナウィルスは、ムスリムへの深刻な風評被害をもたらしています。この噂は、3月19日、デリーのムスリムの聖地ニザームッディーン廟で行われた集団礼拝に端を発しています。この集団礼拝の10日後、この礼拝に参加したインドネシア人のムスリム10人に、コロナの陽性反応が出たためです。

2月下旬にデリーで起きた暴動(ムスリムが襲われ53人が死亡)の空気が残っている中、このニュースが飛び込んできたため、ムスリムに対する視線は再び厳しいものへとなっていきました。

このニュースの広がり以降、たちは、ムスリムの評判を下げるため、数多くの噂を流すことになります。かれらはその手段として、インターネットメディアを用いて、様々なフェイクニュースを流し、ムスリムへ憎悪が向くように仕向けたのです。

コロナの広がりとともに流れたニュースを、いくつか簡単に紹介しましょう。

  1. ムスリム男性が、マーケットの果物にを吐きかけた
  2. ムスリムが店の商品をなめた
  3. 食品梱包の仕事をしているムスリムが、梱包している商品にを吐きかけた
  4. イスラム教徒が、警察官にを吐きかけた
  5. ムスリムがくしゃみをわざとして、をばらまいている

これらすべてが、コロナに感染したムスリムにより行われたと、SNSを通じて拡散していったのです。こうしたSNSに広がった「噂」は、政権与党BJPの指導者たちが扇動する言葉とともに拡散させており、その悪質さも留意しなくてはいけません。BJPは、ヒンドゥー至上主義者の政党といわれ、排外的性格をかねてより指摘されています。

こうしたネットメディア発のフェイクニュースは、インド国内の新聞やテレビでも伝えられたといいます。

パキスタン国内で、ヒンドゥー教徒への食糧供給が止められたなどのニュースも、多数あがっています。

しかし、何度も繰り返しますが、すべてがフェイクニュースです。

多くの人が、ストレスを抱える生活を強いられる中、こうしたフェイクニュースに扇動された人々による、ムスリムへの暴力事件が起きてしまいます。

3.コロナ禍:ムスリムへ向けられた暴力

さまざまなメディアで、ムスリムへのフェイクニュースがまことしやかに伝えられる中、新型コロナを理由とした、ヒンドゥー至上主義者による、ムスリムへの暴行事件が起きています。

カルナータカ州で起きた事件を、2つほど紹介します。

①ムスリムのモスクが襲撃される

襲った22人のヒンドゥー教徒たちは、モスク近隣のムスリムがコロナにかかり、そのウィルスをばらまいたことを、暴力の理由だとしています。

②バンガロールで人道支援活動を行うムスリム3人が襲撃される

襲ったヒンドゥー教徒たちは、被害者がニザームッディーン廟のムスリム宣教師と繋がりがあるとの噂を信じ、暴行に及んだとしています。

この他にもムスリムの車が襲われる事件や、警官によるムスリムへの過剰な暴行も起きてしまっています。2月の「デリー暴動」のように、大規模な暴力へと発展しないことを願うばかりです。

4.新型コロナウィルスを利用したフェイクニュースとイスラム憎悪扇動

日本でもネットでは、中国への様々な言説が、汚い言葉とともにあふれていますが、インドでも、新型コロナの影響で、ムスリムへの心無い言葉があふれているようです。

そして、2月の「デリー暴動」でもそうでしたが、それを扇動したのがBJPの指導者であったことに恐ろしさを感じます。

日本・インドともに、新型コロナの被害は世界的にはまだ少ないため、このまま落ち着いてくれることを祈って、今回の記事を〆たいと思います。

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