今もなお根付く「カースト」の悲しき現実

今もなお根付く「カースト」の悲しき現実

皆さんも一度は学生時代に聞いた事がある、インドの「カースト制度」という言葉。

1950年に制定されたインド憲法によると、不可触民を意味する差別用語の禁止や、カースト全体についてもカーストによる差別の禁止が明記されました。
つまり、身分を示すカーストは70年前に禁止され、なくなったはずですが、実際には今なお、ヒンドゥー教社会に深く根付いています。

カーストの実態を紹介します。

0.カースト制のおさらい

カースト制度は身分によって階級を分け、基本的に4つの身分からなります。

階級の上からバラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、シュードラと分けられます。これらに当てはまらない人たち(カースト制度にも入れない人)をアウトカースト、アチュート、アンタッチャブルなどと呼び、どれも同じ身分を指します。
インドではこの社会的身分制度のことを「ヴァルナ」や「ジャーティ」といいます。

また、アンタッチャブルなどと呼ばれるかれら自身は、自分たちをダリットど呼んでいます。このような被差別民は2億人ほどいます。

1.ダリット(アウトカースト)の仕事

  • 皮革のなめし染色
  • ゴミや糞尿の処理
  • ネズミ取り
  • 死体処理、火葬

主なる仕事を例としてあげましたが、かれらのほとんどの仕事が世襲の職業です。

親の代からカーストの名残を受けて、子まで仕事が受け継がれてしまうのです。カーストが憲法上で禁止されてだいぶたちますが、残念ながらかれらはまだ、見えないカーストの影響を受けています。 

2.低カースト者による「人手による汚物処理」の現実

ダリット(アウトカースト)の人々の仕事はどれも酷いものばかりですが、その中でも目を引くのが「汚物処理」です。賃金は、1日で200Rsから300Rs(320円から480円)。それでも賃金をもらえるなら、まだ幸せなほうらしいです。

田舎の汲み取り式トイレの清掃ともなると、報酬は固くなったパンや、雇用主のご飯の食べ残し。季節により、収穫したものや古着など様々。人としての扱いも受けない「不可触民」がゆえ、物を渡される時や食事をもらう時も、家畜にエサを与えるかのように、地面に投げたり、手の上に触れずに落とすなど、かれらに触れることはありません。

ダリットは雨が降ろうが、身内が亡くなろうが、妻がお産の時であろうが関係なく、働かなければならいない環境にあります。もちろんダリットは、選んでこの仕事をしているやけでありません。カースト制度のもと、この職種に生まれながらに属しているのです。

女性は野ざらしで乾燥した排泄物を掃除し、男性はより重労働な下水道や浄化槽の清掃を担当します。また防護服やマスクも使用せずに、下水管や汚水処理タンクの清掃に従事しています。インドでは、低カーストに属する数十万人が、このような仕事をしています。

雨が降ると汚染物が濡れて身体につき、髪の毛が抜け、全身におできができて痒くなるなど、健康にも大きな問題を与えています。下水管の中で充満した有毒ガスで、窒息死をする人も後を経ちません。高い確率で死ぬかもしれない仕事を、ダリットはその日のご飯を食べるために行っているのです。

さらに、このような仕事は結核になるリスクを高めます。そしてその子どもも、病気になります。

学校に行くことさえ許されない子どももいます。他の住民と同じ敷地で、一緒に座ってお祈りをすることすらできません。重労働者のダリットの月給は6,000円から16,000円ほど。これだけで家族を養います。子どもも十分な教育が受けられないため、同じような仕事につくという繰り返しが永遠と続いているのです。

そんなダリットも自分たちの尊厳を守ろうと、仕事を辞めようという運動がありました。しかしかれらは仕事を辞めると村人から脅迫をうけ、コミュニティの外へと迫害され、辞めたとしても別の仕事をすることができなかったのです。

インドでもこのことが問題視されるようになり、下水の排泄物を清掃する仕事は、法律で禁止されるようになりました。しかし驚くことに、法を守るべきである政府の役人たちが、その排泄物を処理する清掃人を、いまだにやとっていると言われています。

3.不可触民のチャンス

ダリットの唯一のチャンスは、インドの一大産業であるIT分野です。ITはカースト制度があった時代からある産業ではないため、カースト制度の名残の影響を受けることがないと言われています。

ITの会社では身分による規制もないため、プログラミングに詳しくなったり、結果を残した人が出世をしていくという、真っ当な勝負ができます。

こういったカーストの名残をうけない産業が他にも育ってくれば、過酷な重労働からの脱出口になるはずです。

4.最後に

インドはまだこのようなあまり知られていない貧富の差がある中で、信じられないような生活をしている人が大勢いることを、どうか忘れないでください。このような現実を、他国の人がしっかりと認知することが、差別の解放へとつながっていくと思います。

根強く残るカーストがはやくなくなり、平等な社会になることを望みます。

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