インドの「色」のもつ意味

インドの「色」のもつ意味

インドには様々なシンボルがあり、その多くがと結びつき、意味が与えられています。それは、宗教的・社会的・文化的な背景から、意味が与えられることになります。

例えば、我々に馴染みのある日本国旗は、赤丸には「朝陽」の意味が、白地には「神聖さ」や「純潔さ」の意味が与えられ、国旗という「シンボル」を形成しています。

記号論的な話をすると、呪文のようになりそうなので、今回は大まかに、インドの色が持つ意味を中心にみていきます。

1.インド国旗

インドに暮らしている人は、街中でもよくインド国旗は掲げられているので、馴染み深いと思います。ただ、インド国旗の持つ意味を知っている方は、意外と少ないようですので、紹介します。

まずは、一番上のサフラン色(オレンジ)です。ヒンドゥー教徒や仏教徒のサドゥー(修行僧・師父)が纏うローブの色が、このサフラン色で、これは「」を表す色です。「火」は不浄を燃やす存在のために、「神聖」という属性をもちます。そのため、サフラン色はヒンドゥー教を象徴する色となっています。

次に、一番下の色は緑色です。緑は、イスラム教の聖書『コーラン』において、天国で暮らす人は緑色の絹のガウンを纏うと考えられるため、緑が天国を表す色として、考えられるようになりました。

天国は、イスラム教徒が今世において善行を積むことでたどり着くことができる、かれらの目的とする場所です。そのため、緑色はイスラム教を象徴する色となっています。また緑色は、イスラム諸国家の国旗や、聖者廟のシンボルとしても、よく用いられています。

続いて、真ん中の白色です。白は、ヒンドゥー教徒イスラム教、2つの宗教の和解を表す色です。これは、ヒンドゥーとムスリムの多大な死者を生んだ衝突が、インド独立の過程で起きてしまった、悲しい歴史を踏まえたものです。

最後は、国旗の中央にあるマークです。このマークは、仏教の「法・法輪」を意味する「アショーカ・チャクラ」のマークです。インド独立以前、当初はガンディーが率いたスワデーシ運動(国産品愛用)のシンボルである「糸車」が国旗に描かれていましたが、これでは特定の共同体を象徴するものとなってしまう、との懸念から、今の形になりました。

2.ヒンドゥー教と色

  • ヒンドゥー教には様々な宗派があり、地域によっても多様性があるため、一概にはいえませんが、は「浄性」の概念と密接に結びついているといえます。白檀や米粉、灰などの白色は、清浄であり、神聖であることを表します。
  • 逆には、一般的に・不吉の色と考えられています。ただ、こうした不浄の色とされる黒も、カーリー女神(シヴァ神の妻、戦いと殺戮を好む)やクリシュナ神(ヴィシュヌの化身、元来は肌が黒く描かれていた。「黒い」「暗い」の意味の形容詞でもある)と結びつくときは、黒も清浄となります。ただし、一般的な黒の不浄なイメージを避けるために、カーリー女神やクリシュナ神などを表現する際に、を用いるのが一般的ということです。
  • 黄色は、日本にも吉祥天(きっしょうてん、きちじょうてん)として伝わるラクシュミー女神(美と富と豊穣、幸運を司る)と結びつき、多くのインド人に好まれる色となっています。国旗にも描かれているサフランをゴールデン・イエローというように、黄色は幅広くインドで「シンボル」として使われています。
  • 緑色は祭りを表すことが多く、生命や幸福、平和も表す色です。そのためヒンドゥー社会では、寡婦(かふ)が緑色の服を着ることは、嫌われています。
  • 青色は、勇敢さや決断力、安定性を表しています。シヴァ神は青い肌で有名ですが、これは世界を滅ぼす量の毒が撒かれそうになったため、それを飲み干した結果、青くなったというものや、世界を滅ぼす性格をもつシヴァを表すため、(本来は黒色だがその代わりに)青で描かれている、といわれています。
  • 赤色は、怒りや激しさ、そして「清浄性」を表します。インド人が額に赤い印を付ける慣習をみたことがある人も、多いのではないでしょうか。ビンディーティラクと呼ばれる、額のチャクラが開く場所に塗るのが一般的です。こうすることにより、身体の中のチャクラの流れが活性化するということです。

その他にも、には様々な、宗教的なイメージが付与されています。

結婚の儀礼の際、赤は重要視され、女性が髪の分け目に赤い粉を付けたり、赤いサリーを着用する、また赤い粉をまく慣習があります。

荼毘に付す際には、遺体を赤い布に包み、火葬をします。これは、赤=血であり、血は再生を繰り返すイメージが与えているため、輪廻信仰をもつヒンドゥー教では、重要視されている色といえます。結婚式で妻の女性が赤を纏うのも、妻の一番大事な仕事は、嫡子を産むことであるためです。

ヒンドゥーで伝統的に、祭祀の際に神々に捧げられてきた生贄の血も、こうした再生という意味が与えられています。

3.インドの「色」のもつ意味のまとめ

以上、インドにおけるがもつ性格について、みてみました。

インドは様々な性格をもつ神様がおり、色彩も豊かに表現されています。色や特徴をもとに、神様の分類なんかできるのかしら、機会があれば考えてみたいと思ったところで、今回の記事を〆たいと思います。

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