インドの古典音楽

インドの古典音楽

インドに長く住んでいる方ならば、インドの古典音楽の演奏を見たことがある人も、多いのではないでしょうか。ショッピング・モールなどでも、しばしば無料の演奏会があります。

今回は、このインドの古典音楽の、歴史や特徴を紹介します。

1.インド古典音楽の特徴

インド古典音楽の特徴は、季節、時間、天候などに合わせて、特定のラーガ(旋律型)を選び、そのラーガやターラ(拍子)の制限内で、最大限のバリエーション(即興)をつけて、基本的なテーマを反復していくことにあります。

ラーガと呼ばれる旋律の型は、理論的には数万種類あるといわれていますが、一人の演奏家が習得できるのは、多くても数百だといわれています。

したがって、個々の演奏家が奏でられるラーガは異なるため、個性や技量が、曲を左右します。ラーガの組み合わせや、変奏することで、作曲が行われます。

2.インド古典音楽の歴史

1-1.ヴェーダ時代の音楽

~BC500頃に編纂された『ヴェーダ』は、詠唱されることを前提とした、世界最古の賛歌集であり、インドの古典音楽の原典といわれています。

ここでは独特の記譜法があり、この詠唱法は、今日のヒンドゥーの聖地の寺院でも、観ることができます。

以下が『ヴェーダ(サーマ・ヴェーダ)』を再現している動画(音のみ)です。

4つある『ヴェーダ』のうち、『サーマ・ヴェーダ』の詠唱法が、最も音楽的といわれています。抑揚は抑え気味ですが、現在も上演されている古典音楽の詠唱と、共通点を感じることができます。

ただ、ヒンドゥー音楽の起源は、ヴェーダ時代以前のインダス文明に求める研究者もいます。遺跡から、ハープや太鼓、ほら貝などが出土され、インド古典音楽に通じる楽器が用いられていたことが、わかっているためです。

1-2.『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』

ヒンドゥー2大叙事詩といわれる『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』も、古典音楽を考えるときに、重要な素材となっています。

  • 『マハーバーラタ』は全18巻で、パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の争いを中心に描かれ、この中には、ダルマに基づく、さまざまな宗教的教訓が収められています。
  • ラーマーヤナ』は全7巻で、ヴィシュヌ神の化身であるラーマ王子の物語となっており、『マハーバーラタ』同様、ヒンドゥー聖典として重要な地位を、今日も得ています。

この2つの叙事詩は、楽器や音階など、音楽に関する情報も記されており、古来より、インド音楽や舞踊の題材として用いられています。

『ヴェーダ』や『マハーバーラタ』をはじめとする、ヒンドゥー聖典を基に発展してきたインド古典音楽は、地方ごとに特色をもち、様々な音色を奏でています。

次の項では、ヒンドゥー古典音楽の2大流派をみてみます。

3.ヒンドゥスターニー音楽とカルナータカ音楽

インドの古典音楽は、大きくヒンドゥスターニー音楽カルナータカ音楽の2つの流派が知られています。

町のCDなどを売っている店に行くと、この2つのコーナーは大きく設けられているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

ヒンドゥースターニー音楽は主に北インドで、カルナータカ音楽は南インドで盛んです。

ヒンドゥースターニー音楽では、シタール(弦楽器)とタブラ(太鼓)が代表的な楽器なのに対し、カルナータカ音楽は、ヴィーナー(弦楽器)とムリダンガム(太鼓)が有名です。

この2つは、中世のイスラーム勢力侵入の影響により、AD13世紀頃に分化していったといわれています。

  • ヒンドゥースターニー音楽はイスラムの影響が強く、即興性が重視されます。イスラムの宮廷に仕えた音楽家たちが、支配者たちの好みの音楽を取り入れた、独自のスタイルを築いたため、情緒的・イスラム的要素が強い特徴をもつ「ヒンドゥースターニー音楽」を形成していきました。
  • 一方、カルナータカ音楽は、保守的で、即興性に劣り、声楽が大きな位置を占めます。イスラムの影響を受けることを嫌った、保守的な音楽家たちが南へ下り、古来から伝わる伝統的・理論的・ヒンドゥー的要素の強い「カルナータカ音楽」を形成していきました。

4.インドの古典音楽のまとめ

インドの古典音楽は、テレビをつけているとしばしば聞こえてきますが、なかなかライブに行く機会はないと思います。私は、デリーの友人にタブラのプレイヤーがいたので、何度か観に行ったことがあります。ヒンドゥースターニー音楽なので、即興が見どころなんですが、想像以上のスピード感で、思わず聞き入ってしまいました。普段聞かないジャンルでしたが、大満足でした。

デリー在住の方で、古典音楽に興味があるようでしたら、ディリー・ハートで、しばしば古典音楽のライブをやっているので、お勧めです。また機会があれば、音楽関連の情報も紹介させていただきたいと思います。

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好きな祭りはシヴァラートリで、地域ごとの特色も観れ、平和な雰囲気を感じられます。
透明性のある法やプロセスの欠如によって、汚職が生まれやすい環境となってしまっていると指摘されます。