一杯のチャイの幸せ

一杯のチャイの幸せ

実は新参者のインドティー

インドと言えば、(セイロン)と並んで世界の2大紅茶大国・・・のはずですが、実は中国1400年のお茶の文化に比べれば、ほんの新参者なのです。インドで紅茶の栽培が始まったのは、19世紀半ばになってからの話ですからね、たかだか150年余りの歴史なのです。

紅茶はもともと中国のもので、烏龍茶系の武威茶の仲間です。オリジナルに近いものとしては、現在なら安徽省のキーマン茶になるでしょうか。中国紅茶の優品として名高いものです。

あるいは独創的な味をお求めなら、松葉で燻した福建省のラブサン・スーチョン茶がお勧めです。

ご存知のように紅茶も緑茶も烏龍茶も、植物学上同じ茶の木から作られます。加工方法によりさまざまなお茶が出来るのですが、やはりそこには相応しい種類と言うものが存在します。

探し出したのはメイジャー・ロバート・ブルース

いまでこそ紅茶の国と言われるイギリスですが、当初はこの茶を中国から船で輸入していました。しかしインドという、中国よりも本国に近い広大な植民地を持っていたイギリス、なんとかこの地で茶を栽培できないものかと考えます。そうすれば高い金を出して輸入しなくても済みますからね。

東インド会社も、広大なインドの地を利用して、紅茶に相応しい茶の樹を育てようといろいろ試みていましたが、中国種はインドの気候風土に合わず、失敗続きです。

そこで、探検家で商売にも手を染めていた、メイジャー・ロバート・ブルースというスコットランド人に目をつけました。東インド会社は彼に命じて、ヒマラヤ山地ですでに根づいている茶の原木を探させます。

1823年、ブルースが見つけ出したのが「アッサム種」でした。生育環境の似ている植民地インドで、大規模栽培に乗り出します。これが19世紀半ばの話です。この「アッサム種」の栽培成功がインドの紅茶大国への第一歩でした。

ついで1841年には、インド北東部のダージリン地方でも、中国種の茶の樹が育つことがわかります。そこでダージリンでの紅茶栽培も始まり、いつしか中国を抜き去って、インドは世界一の紅茶大国にのし上がりました。

最初は紅茶を口にできなかったインドの人々

当初、収穫した紅茶はイギリスへの輸出専用とされ、現地インドの人々は飲むことが出来ませんでした。

ところが、栽培も軌道に乗ってきたところで、第一次世界大戦が起こります。戦争で消費が減ったのかどうか、大戦中に紅茶は生産過剰に陥りました。商品がダブついてくれば、安値でも取り合えず売れるところへ売ります。そこで特選茶以外は、インド人も茶葉を買い求めて飲んでも良いことになったのです。ようやくインド人も紅茶を楽しみはじめました。

この紅茶に、インド人は砂糖とミルクをたっぷり加えて飲みました。どうもインドに限らずアラブ諸国もですが、暑い地方の人は甘ったるい食べ物・飲み物が好みのようですね。

そして彼らは、手近に豊富にあったも放り込みました。これがインドチャイですが、なぜスパイスかと言うと、インドには食べ物・飲み物にはすべからくスパイスを加えるべしとの文化があったのです。

インドには2種類のティーがある

インドには、2種類の紅茶の入れ方があると言われます。

1つは日本人も良く知っている砂糖や紅茶を好みでいれるもので、「イングリッシュ・ティー」とか「セパレート・ティー」「プレーン・ティー」などと呼ばれます。休日の午後にお客を招いたり、アフタヌーン・ティーの習慣を持つ、裕福な人々が愛飲するティーです。

もう一つは、茶葉とミルクと砂糖とスパイスを一緒に入れて煮出したチャイ、別名「マサーラ・ティー」です。南インドではコリアンダーを入れたり、北部山岳地方では唐辛子を加えたりとか、地方色豊かなものが多いようです。

中国では、お茶に砂糖を入れて飲む習慣はありませんでした。砂糖やミルクを入れ出したのはイギリス流で、それを煮出し始めたのは南アジア的アレンジです。

中国では飲み物に後から砂糖を足す習慣は無かったようで、しいて言えば不味い酒に砂糖を入れて誤魔化すことはあるとか。

インド流美味しい紅茶の入れ方

一方一般インド人の飲むチャイは、確かに安価な茶葉を使いますが、けっして品質が劣るのではありません。

産地や季節により、茶はそれぞれの個性を持ちます。ミルクで煮出すのに、ダージリンの一番摘みファースト・フラッシュや、二番摘みセカンド・フラッシュではコクが足りないのです。コトコト煮出してコクを出すには、ニールギリやアッサムといったしっかりした茶葉、あるいはダージリンでも「オータムナル」と呼ばれる、秋積みの茶葉が向いているとされます。

では一例を。

  1. 鍋に水をカップ1杯分入れる
  2. 茶葉を茶さじ2杯入れ火にかける
  3. 指先ほどの生姜を薄くスライス、シナモンスティック半本、カルダモン・シード3個、以上を加え、2、3分煮る
  4. ミルクをカップ1杯、砂糖をたっぷり、更に煮立たせて、甘味の加減はやや濃い目に
  5. 火を止め、茶漉しを使ってカップに注ぎ入れ、最後にシナモン・パウダーを一振り

さあ、お飲みください。

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