カースト制度が存続する理由①:結婚制度

カースト制度が存続する理由①:結婚制度

紀元前から続いているカースト制度は、BC200年からAD200年ころに成立したといわれています。イスラム勢力やイギリスの支配の際も、統治者はカースト制度をうまく使って統治していました

約2000年を経ても、依然として色濃くインド社会には残っているカースト制度。その理由は何なのでしょうか。

カースト制度の存続する理由としてよく挙げられているのが、結婚制度です。カーストコミュニティの中で、どのようにヒエラルキーが固定化されていったのか。

今回の記事では、カースト制度維持に影響を与えている、ヒンドゥーの家族制度と結婚についてみていきます。

1.家父長制の中の女性と結婚

家父長制は、男性を一家の長とする家族の形態です。家族の利益を名目に、家長が家族の行動を強制的に干渉し、意思決定権を握ります。インドの家族制度も、この家父長制の色がかなり濃いといわれています。

伝統的にヒンドゥー教徒の男子は、学業を終えると結婚して家長となり、男児を授かり先祖をまつる義務があります。女児では家が継げないため、男児が必要というわけです。

家長になるという事は、自身のカーストの世帯主になるということになります。そのため女児より男児が望まれ、女児が生まれても殺されてしまうという事件が現代においても起きてしまいます。

男性が家を継ぐという家父長制的慣習は、各カースト同様に維持されています。また、女性は処女性と従順さを求められることから、初潮前の結婚が望ましいとされる慣習も生まれました。

理想の結婚年齢も残されており、30歳男性と12歳少女24歳男性と8歳少女とされています。48歳と30歳の年の差夫婦は聞きますが、30歳と12歳の年の差夫婦はさすがに怖くなります。

インド社会で従来広範囲で行われていた幼児婚の風習は、こうしたヒンドゥ―教とカーストの文化が背景にあるといえます。

2.カーストの結びつきを維持する結婚

結婚は、カーストにとって自身の存続を保証し、カースト内部の結びつきを維持するうえで重要な意味をもっています。ヒンドゥー教徒にとっての結婚は、家族とカーストに対しての社会的義務となるのです。

結婚に関する慣習は各カースト(サブカースト、ジャーティ)ごとにさまざまありますが、カーストの構成員は自身と同じカーストに属するものと結婚する義務があります(内婚)。しかし、内婚は同一集団内部で行われ続けると血が濃くなりすぎるために、村外から近親者でない、同一カーストを結婚相手に選ぶことが広く行われていました。

一般的にバラモンの教師カーストは村外の教師カーストと結婚シュードラの大工カーストは村外の大工カーストと結婚といったように、決められた枠組みの中で結婚は成立します。カースト内婚と村外婚は厳重に守られる傾向にあり、その範囲は地理的条件によりさまざまな形がありました。

こうした狭いコミュニティの中で完結するインドの結婚制度は、カーストの流動化を生まずに固定化し、歴史を重ねることで現在においてもなお強固に残っています。

3.結婚の抜け道

内婚制は厳重に求められていますが、例外もあります。上位カーストの男性と下位カーストの女性との結婚です。この「格差婚」は下位カーストの家の格を上昇させると考えられていたため、ダウリー(支度財)などの悪習が生まれたと指摘されています。

この逆で、上位カーストの女性と下位カーストの男性の結婚は「」いわれタブーとされています。

ヒンドゥー教徒の父親にとって、男児・女児問わず自分の家系にふさわしい家柄の異性と結婚させることは、宗教・社会的義務として考えられました。しかし、カースト制度のもとでは、結婚相手の選択は内婚のためにきわめて限られています。そのため家長である父親が、ダウリーなどによって懐柔し、されることで、異カースト間の結婚は成立するのです。

ダウリーの額次第の結婚は、現在においても多くみられ、世界中で批判されています。

4.カースト制度が存続する理由:特徴的な結婚制度のまとめ

みてきたように、カースト制度を維持する上で、結婚がいかに有効に作用してきたのかわかったと思います。ただ、この結婚制度は家父長制だから仕方がないのでしょうが、本当に男性本位の作りです。上位カーストと下位カーストの結婚は本来はダメだが、男性が上位カーストならまあ良し、との男性本位のご都合主義の宗教的な理由付けがされ、認められてきたようにみえてしまいます。

現在のインドにおいても続いている嬰児殺しや幼児婚は、あきらかにヒンドゥ―文化の結婚制度に影響され行われています。カースト制度が存続し続けた背後で、そのヒンドゥ―文化がこうした悪習を生んでいることにも留意していきたいです。

次回の記事では、結婚制度とともにカースト制度を強固に支えている「食事」に注目してみます。

参考文献

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