インドから消えないカースト制度

インドから消えないカースト制度

インドは経済が目覚ましく発展していますが、そのインドでは、未だに世界的に悪しく知られている「カースト制度」に基づいた差別が行われています。

人はみな平等という概念が確立されている現在においても残っているのは、理論や理性を超えた、ヒンドゥー教の世界観が存在するからです。

そのため、政府が根絶しようとしても、ヒンズー教徒が8割以上を占めるインドでは、ヒンドゥー教を無くさない限り、不可能とも言えます。

カースト制度

カースト制度というのは、インドに古来から伝わる世襲の階級制度のことです。

カースト」とはポルトガル語で「血統」という意味があります。

カースト制度では上位から、「バラモン」、「クシャトリヤ」、「ヴァイシャ」、「シュードラ」という4つの身分(ヴェルナ)の人が存在します。そして、浄・不浄という宗教観に基づいて職業が分けられています。

1.バラモン

最高位の身分がバラモンです。

宗教的な支配階級になっており、自分たちの身分に即した規制を作ってきました。

知識階級ともされ、大臣や裁判官などの職業に付く人が多くなっています。

また、僧侶や教師もバラモンに属します。

2.クシャトリヤ

クシャトリヤは王族、貴族、武人に当たる階級の人です。

クシャトリヤとは「権力を持つ者」という意味を持ち、政治や軍事面で指導的な立場にいます。

この階級の人は裕福な人が多くなっています。

3.ヴァイシャ

ヴァイシャは一般市民の階級であり、ヴァイシャまでが上位カーストになります。

元々は農耕や牧畜を行う庶民的な階級でしたが、都市に住んで商売を始めるヴァイシャが増えたため、本来のヴァイシャの仕事はシュードラが行うようになっています。

4.シュードラ

最下層のシュードラは労働者の層と呼ばれ、元々は隷属(奴隷ではありません)とされた被支配者階級であり、辛い、汚れる仕事に就いています。実は、肌の色が比較的白かったアーリヤ系の人々が上位3つのヴァルナを占め、元来インドの先住民であったドラヴィダ系住民がその下の身分に置かれたのが現実です。

人格や専門性には全く関係なく、体から分泌されるもの(汗など)に接することが不浄とされました。現在では、ヴァイシャの多くが商人になったことで、農業や牧畜などの生産をシュードラが担っています。

ちなみに、カースト制度はあくまでも「身分」を示すものであり、経済面でも比例しているわけではありません。実際に、貧しいバラモンもいれば、裕福なシュードラもいます。

ジャーティーの存在

ジャーティとはカースト集団のことであり、カーストごとに職業が細分化されたものです。その種類は3000とも言われています。ジャーティには「生まれ」や「家柄」という意味があり、「血統」という意味を持つカーストと複合してカースト制度が構成されています。

職業は世襲が原則になっていますが、働き口が無い場合は自分のカーストよりも下の仕事に就くことは認められます。

また、ジャーティは異なる身分であるヴァルナとの結婚を禁じた内婚集団でもあります。稀に、男性が上位の場合は、ヴェルナの違う者同士の結婚が認められることもありますが、女性が上位の場合はあり得ません。

そして、食事の席でも同席することができないような決まりがあります。

不可触民()の存在

不可触民(ダリット)とは、カースト制度に属さない種族のことであり、「」とも呼ばれ、「触れると穢れる人間」とされて迫害されました。触れる、近づく、声を聞く、見ること全てがいけないとされ、ヴァルナの人たちが使用する井戸や貯水池の使用も禁止されています。そのため、彼らが近づくと、音を鳴らして知らせたりしていました。

不可触民の人たちは、誰しもが嫌がるような仕事を強いられました。例えば、死体処理業、し尿処理業、廃品回収業、動物の皮革業などがあります。

1950年にインド憲法の17条が制定され、不可触民を意味する差別用語は禁止され、カーストによる差別も禁止されました。しかし、法的には廃止されていますが、インド市民の感覚にはまだその差別が残っています。

生活の中のカースト制度

カースト制度はインド人の日々の生活の中に根強く残っています。その名字から出生地域やカーストを予想することができます。

上位のカーストの人の中には、下位の人と関わりを持たないようにする人がいます。例えば、低いカーストの人に私的なメールは絶対送らない、と平然と言います。

また、ハウスキーパーの女性にトイレの掃除を頼むと、その女性は『便器を触るのは私のカーストではできない』と言って、より低いカーストの人を連れてきて掃除をさせます。そのハウスキーパーも、リビングで奥さんと世間話をする時はソファーに座らず、床に座ります。奥さんが勧めても決してソファーには座りません。

まとめ

インドのカースト制度は身分制度の無い国の人から見ると違和感を感じます。

ただ、宗教的な理念が深く根ざしている国の人の感覚は、無宗教の国の日本人には理解できない面があります。

インド人の中にもカースト制度を嫌って、カースト制度の適用外であるイスラム教に改宗する人がいます。

また、世襲制の無い新しい仕事であるIT企業を目指す若者が少なくありません。

インドでIT産業が発展・拡大しているのはそのせいです。

少しずつ、カースト制度が変化しています。

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