ヒマラヤと雪男

ヒマラヤと雪男

世界一の高さを誇るヒマラヤには、数多くの民間伝承や神話があり、ヒンドゥー教においても、ヒマラヤ由来の神話が多数描かれています。ヒマラヤにまつわる民間伝承や神話の中で、最も有名なのが雪男でしょう。

今回は、ヒマラヤが地域に果たした役割と信仰、そして、雪男について紹介します。

1.ヒンドゥーとヒマラヤ

1-1.ヒマラヤと信仰

南アジア地域は、一般的に、熱帯・亜熱帯の地域に属しているため、北部のヒマラヤをはじめとした高山域を除いて、雪が降ることはありません。そのため、南アジアの雪のイメージは、高い山と結びついています。その代表が、古代サンスクリット語で「雪の家」を意味する、ヒマラヤです。

古来から、ヒンドゥスタン平原に暮らすヒンドゥー教徒をはじめ、ネパールで暮らすチベット人も、常に雪で白く輝く山の頂上には、神々が暮らしていると考え、信仰の対象となってきました。

ヒンドゥー教では、ヒマラヤを神格化し、ヒマヴァット(Himavat:雪を有するものの意)という男性の神として、神話の中で描かれています。

ヒマヴァットは、川の女神ガンガーと、シヴァの妻であるパールヴァティの父として、しばしばヒンドゥー神話に登場しています。

1-2.ヒマラヤと気候

ヒマラヤの雪や氷河は、貯水をする天然のダムとなっており、一年を通して、河川を伝い、ヒンドゥスターン平原へ流れ、安定的な水の供給源となっています。

それだけでなく、ヒマラヤの雪は、モンスーンとも関係があります。夏になりヒマラヤの雪が溶けだすと、太陽によって、ヒマラヤ山脈自体が温められ、上昇気流を頻繁に発生させ、低気圧帯を作り出します。そして、この低気圧帯に、赤道からの西風が引き寄せられ、夏の南西モンスーンが始まるということです。

モンスーンのこうした影響が明らかになったのは、気象学が発達した近現代以降ですが、古代から、ヒマラヤは、様々な事象と関連付けられ、信仰されてきました。

2.雪男

雪男伝説は、日本をはじめ、旧ソ連、中国、カナダ、アメリカなど、世界中にありますが、ヒマラヤの山中にもいるといわれています。

人間に似た、正体不明の生き物で、英語圏ではAbominable Snowman(チベット語のMetoh Kangmi:雪の野人を英訳したもの)と呼ばれています。日本では、ブータンでの呼称イェティ(Yeti)も知られています。

雪男は、全身が毛で覆われていて、直立歩行をする2m以上の巨人、というイメージで語られます。この地域に暮らすネパール人は、比較的、小柄な人が多いため、より巨大なイメージが、一般化されたのかもしれません。

1951年、ヒマラヤの探検を行ったE.シプトンが、「謎の足跡(約32cm×17cm)」を写真に撮っています。この歩行の痕跡を収めた写真は、2足歩行の巨大生物の存在が、初めて具体化(証拠化)されたものといわれています(それまでは民間伝承のみでした)。以降、世界的に多くの関心を集め、多くの調査隊・探検隊が、雪男を発見すべく、挑戦をしています。

雪男の報告は、それ以前からもあります。

1832年の、B.H.ホジソン(B.H. Hodgson)による『ネパールの哺乳類』という論文が、雪男伝説を紹介した、はじめてのものだといわれています。ここでは、インドの鬼神ラークシャサ(羅刹)を、雪山で目撃した話が紹介されていますが、ホジソンは、オランウータンを見間違えたと結論付けています。

1889年、M.L.A.ワデル(L.A. Waddell)が、標高5200mの地点で、巨大な足跡を発見したのが、最初の雪男の痕跡の記録(写真ではなく記録のみ)とされています。しかし、ワデル自身は、ヒグマの足跡と推定しています。

そして、1925年には、N.A.トンバーツィ(N.A.Tonbazi)によって、雪男の目撃がされています。トンバーツィは、王立地理協会の会員という肩書をもっていたため、多くの人々の興味を惹いたといいます。

こうした欧米人による報告以前から、現地の人々の間で、民間伝承・信仰として受け継がれたものが、雪男として、人々のイメージを膨らませたのでしょう。

3.さまざまな雪男発見報告

1975年には、日本人による、雪男の発見報告があります。冒険家の鈴木紀夫氏(フィリピンのルバング島で小野田少尉を発見した功績をもつ)が、5人(?)の雪男を目撃したというのです。ただ、もちろん、その目撃談が証明されることはありませんでした。

そして、雪男の資料として話題になったもので、1986年A.B.ウールドリッジ(A.B. Wooldridge)によって撮影された「雪男の写真」があります。これも後年、ただの岩であったことが確認されています。

こうした目撃談は、都市伝説でよくみますが、忘れたころに、新しい目撃情報が上書きされているような気がします。

1996年には、雪男の動画がついに撮られたと、マニアの間で話題になりましたが、すぐに、着ぐるみを着た人間であることがばれて、失笑をかいました。

4.ヒマラヤと雪男のまとめ

以上、ヒマラヤと雪男について紹介しました。雪男の正体は、諸説あるようですが、吹雪の中、クマと見間違えたなどの、冷静な分析が多いようです。夢のない話です。

ただ、インドの秘境、ヒマラヤの奥地なら、まだ見ぬ「何か」がきっといてくれるはず!と信じて、雪男の続報を待ちたいと思います。インドの面白い都市伝説があれば、また紹介させていただきます。

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