2020年デリー暴動とBJP指導者

2020年デリー暴動とBJP指導者

デリーで起きた暴動を、覚えている人も多いと思います。私も、デモ・暴動があった地域は、何度か行ったことがあったので、注目してみていました。この暴動では、多くのムスリムがターゲットとなり、殺されています。

そして、暴動があった当日、最初に暴動を起こしたヒンドゥーのグループを、BJP(政権与党)の指導者が扇動していた、との報告が多数あがっているんです。今回は、2020年のデリー暴動と、BJP指導者の関連性について、紹介します。

1.2020年デリー暴動

2020年のデリーの暴動は、2月23日から28日までの6日間、デリー北東部ムスタファバード(Mustafabad)を中心に起きた、一連の暴行や殺人、器物損壊、放火事件など、主にヒンドゥー教徒がムスリムをターゲットとして引き起こされました。

この暴動の死者、53人のうち3分2(36人)がムスリムで、主な殺害方法は、銃殺、撲殺、焼殺だったといいます。その他の死者は、ヒンドゥーが15人で、残りは警察官、諜報部員が1人ずつだったといいます。こちらの死因は銃撃や暴行によるものでした。

ムスリムが狙われたこの暴動において、多くの男性が、ヒンドゥーのグループによって、下衣(したごろも)を脱がされたといいます。これは、ムスリムの男性が、宗教儀礼として割礼を受けているため、それを確認するためでした。この時に、ムスリムと確認された男性は、暴行を受け、酷い時には殺され、性器を切り裂かれた人もいたといいます。

また、ムスリムは、直接的な暴力とともに、家や商店、そしてモスクまでが襲われ、放火されました。こうした恐怖におびえたムスリムの多くが、2月末までに、この地域から引っ越していったといいます。

2.暴動の発端

この暴動がおこる直前、「インド市民権改正法」が、2019年12月に公布されました。この法律は、2014年12月31日以前にインドに入国した、、バングラデシュ、パキスタンからの、ムスリムを除く不法移民(ヒンドゥー教、キリスト教徒、ゾロアスター教徒、シク教徒仏教徒、ジャイナ教徒に限定)に、市民権を与えるというものでした。

政府がムスリムを排除した理由は、ムスリムの国から迫害されたマイノリティを保護するためであり、ムスリムは、それらの国々ではマイノリティでないからだということです。しかし当然、イスラム諸国の間で、イスラムの特定宗派が迫害されることはあるため、ヒンドゥー至上主義政党ともいわれるBJP政権だけに、他の理由も考えてしまいます。

この、あからさまにムスリムを排除した法案に、ムスリムは反発し、憲法で謳う政教分離に反すると、学生、女性を中心に、抗議活動が行われました。こうしたデモは、「インド市民権改正法」の差し戻しを要求するもので、デリー各地で行われ、主要道路の封鎖なども起きていました。

大規模なデモが起きる際は、近くの駅の封鎖や、デモ扇動を防ぐための通信規制など、政府は、デモが過激化しないように手を打っていました。それでも、インド市民権改正法に関連したデモは、その後も続き、時折、衝突も起きており、多くのヒンドゥーの間に、不満が募っていったといいます。

また、デリー南東部のシャヒーン・バーグ(Shaheen Bagh)では、女性を中心とした平和的デモが行われています(このデモは3月24日、新型コロナを理由に強制解散させられるまで続きます)。

3.BJP指導者による扇動

2月23日、BJP指導者であるカピル・ミシュラ(Kapil Mishra)は支持者とともに、「ムスリムによるデモ」に反対する集会を開きます。この集会でミシュラは、3日以内にデモを解散させ、道路の封鎖等を解除しなければ、強制的な手段に打って出ると、集まったヒンドゥーたちを煽ったといいます。これが、一連の暴動の、主な要因となったとの見方が多いですが、ミシュラ本人は、説明を拒否しています。

そして、午後4時過ぎから、この集会に参加したヒンドゥーたちと、ムスリムのデモ参加者たちとの間で、衝突は起き、午後11時過ぎには過激化し、車や商店が破壊されました。この日は、700件の通報が警察にあり、現場では警察が、催涙ガスなどを用い、人々を分散させたといいます。

さらに、翌24日から、暴動は一気に過激化し、多くの死者を出すに至ります。

一見すると、このBJPの指導者ミシュラが、暴動を扇動したようにみえますが、その後行われた調査では、ミシュラの罪はあくまで「ヘイトスピーチ」の疑いというもので、暴動との関与は、・裁判などで、調査対象となっていないようです。

近年、たびたび起こる、こうしたヒンドゥーが関与する暴動では、しばしばBJPの指導者が扇動しているケースが見受けられます。しかし、死者が出るような暴動であっても、関与した指導者が逮捕されるケースは、稀です。

こうした社会の動きは、BJPが政権を握って以降、顕著になってきたといわれており、ムスリムが犠牲になることが多くなっています。

4.2020年デリー暴動とBJP指導者のまとめ

2020年のデリー暴動のように、最初に暴動を起こした人々の、組織だった動きは、各地で起こってきたデモでも指摘されます。実際に、こうした暴動は、動員された人々が起こしていることは、以前から指摘されており、近隣のスラムから、経由で招集がかかることもあるといいます。そして、マフィアと政治家の繋がりも、しばしば指摘されます。

今回の暴動は、全容が解明されていませんが、他の暴動と同様に、末端の参加者の逮捕で終わるんだろうな、と想像してしまいます。数年に1度、こうした悲惨な暴動が、インドで起きていますが、最近の傾向は、どれもヒンドゥー至上主義者の影響がみえること、といえるのかもしれません。

機会があれば、ヒンドゥー至上主義者について、突っ込んでみてみたいと思います。

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